女性支援を目的としたコミュニケーションのハブ機能
「SK-II STUDIO」の取り組みは、映像作品の発信だけが目的ではない。映像と物語の力を使って現代女性が抱えるプレッシャーを減らすアクションを生む取り組みも動き出す。具体的には「#CHANGEDESTINY資金」を設立し、21年の拠出額50万ドルを上限として、「SK-II STUDIO」の映像1再生につき1ドルを運命を変えようと踏み出す女性への様々な支援活動に拠出する。参加団体の発表はこれからだが、この「#CHANGEDESTINY資金」設立も、SK-IIの強い信念から生まれたものだ。
「新型コロナによって、世界中の働き方が様変わりしました。SK-IIのチームでも、まず仲間のサポートに率先して取り組み、それをビジネスパートナーへと広げていきました。この過程によって、ソーシャルディスタンスは生まれたものの、ソーシャルコネクション、つまり、人と人の結びつきは明らかに強くなりました。SK-IIのブランドビルディングとは、目先の数字に惑わされることなく、社会、女性、コミュニティ、生活者、消費者のために長期的な視点に立って真の価値を提供することです。だから『#CHANGEDESTINY資金』でも、私たちが責任を持って様々な団体に声をかけ、そして私たちもプロジェクトに参加し、女性が自分の手で運命を切り開くお手伝いをしていけたらと考えています」(サンディープ・セスCEO)
新型コロナ禍で追い込まれる女性は、世界中に存在する。だから、「#CHANGEDESTINY資金」の活動範囲に国や地域の壁はない。人と人を結びつける「SK-II STUDIO」は、物語と映像を使ったコミュニケーションのハブ機能と表現することもできる。日本での具体的な取り組みは、近日中に明らかになるが、SK-Ⅱグローバルバイスプレジデント日本事業統括の荒尾麻由氏は次のような思いを語ってくれた。
「日本社会の意識は、間違いなく変わっています。しかし、残念ながら、実社会において日本女性へのプレッシャーが散見されるのも事実で、私は日本女性の一人として心を痛めることも少なくありません。しかし、未来は変えられるものです。短期間で大きく現状を変えることはできませんが、小さな一歩、小さな挑戦を積み重ねることで未来は変わると信じており、日本での取り組みに力を注ぎます」
SK-II グローバル イノベーション 兼 マーケティングリーダーを務める韓国人のヨジン・チャン氏は、SK-Ⅱのビジネスを引っ張ってきた一人。現在はシンガポール在住だが、日本駐在歴が豊富な彼女は「日本の多くの女性が自らの意思で様々な選択ができるようになってほしいです。『SK-Ⅱ STUDIO』の映像作品が運命は自分の選択で変えることを知るきっかけになったら嬉しい。選択は大きなものもあれば、小さなものもありますが、SK-Ⅱは、全ての選択に寄り添う存在でありたいと願っています」と語る。
新型コロナ禍は化粧品市場に大きな爪痕を残した。ビジネスの再構築に目が向きがちないま、ブランドの信念に基づく施策に傾注できるSK-Ⅱは、5年後も、10年後も、世界中の女性にとって必要なブランドとして存在し続けるに違いない。
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