資生堂は2月9日、コンサルティング大手のアクセンチュアとデジタルマーケティングの加速、グループ全体の基幹業務システムの統一・標準化およびデジタル専門分野での社員のスキル向上を目的に戦略的パートナーシップを結ぶことに合意したと発表した。これによりデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させ、変化するお客と市場環境に迅速に対応し、日本の事業モデルを革新していく考えだ。今後、このパートナーシップの円滑な推進のために、合弁会社設立を検討していく。

デジタル領域で多くの支援実績を持つアクセンチュアとの戦略的パートナーシップにより、資生堂は日本事業をはじめとしたグループ全体のDXをさらに加速。時代や環境に応じて変化を続けるお客の美容体験・購買行動の分析と理解に、アクセンチュアの強みである先進的なAI、アナリティクスやオートメーションなど、デジタル領域における多岐にわたる専門人材を活用することで、デジタルを活用して個客に合わせ、取引先小売店とも連携しながら、オンラインとオフラインを融合した体験を提供する新事業モデルへの転換を推進させていく。

また、世界約120の国と地域でビジネスを展開する資生堂グループ全体で、業務推進上のプロセス、システム、データの標準化、統一化によって業務プロセスの高度化および効率化を図っていく。グループ全体でクラウドベースの単一の情報システムを構築することで、全世界共通の経営情報やデータの見える化、決算の早期化、在庫管理の高度化、グローバル需給管理といったデジタル変革の実現に不可欠な基幹業務プロセスの刷新を目指す。

さらに、資生堂はデジタル時代に適応した高度なスキルを持つ社員の育成に、アクセンチュアのノウハウを活用。社員一人一人の特性や希望に応じて、人工知能などの先端テクノロジーの知識、変革推進のマネジメント力など、幅広い研修プログラムを組み合わせることができるアクセンチュアの専門家による実践形式のトレーニングによって社員のスキル向上を強力にサポートしていく。

資生堂は、中長期経営戦略「WIN 2023 and Beyond」の中で、スキンビューティー領域をコア事業とする抜本的な経営改革を実行し、2030年までにこの領域における世界のNo.1企業になることを目指しており、その一環として「デジタルを活用した事業モデルへの転換・組織構築」を掲げている。デジタルを中心とした事業モデル改革、グローバル標準のICTインフラとオペレーションの構築、さらにデジタル領域での人材の強化に取り組み、「世界で勝てる日本発のグローバルビューティーカンパニー」を目指し、さらなる成長と発展のために進化していく考えだ。