ヘアサロン経営の悩みに応えるヘアケアブランド
--新規事業に取り組むロート製薬の事業戦略室が元気だ、と評判になっています。
根羽清ココロ 私たちは、お客さまに美と健康をお届けするために、さまざまな新しいビジネスにトライしているんですが、その一つとして、グループ会社アノマリーが19年10月に立ち上げたオーダーメイドヘアケアブランド「CONSTELLA(コンステラ)」(https://www.theconstella.com/)のビジネス展開が本格化しているんです。
--どのような仕組みでしょうか。
根羽清ココロ コンステラのコンセプトは「私だけでは辿りつけない 私だけの美しさへ。」で、お客さまがヘアスタイリスト(美容師)に相談しながら自分に合ったヘアケア処方をつくる「共創」のサービスです。ユーザーの頭皮・頭髪の状態の変化、なりたいスタイルの変化に応じて処方が変化することを旅になぞらえているんです。商品は、髪の毛のプロフェッショナルであるヘアスタイリストのカウンセリングを受けなければ購入できません。お客さま一人一人の髪や頭皮の状態、生活習慣、なりたいスタイルに寄り添うため、あえてシンプルなカウンセリングは行わず、約30項目もの質問に答えていただき、ヘアスタイリストがカウンセリングします。さらにその結果に基づき、シリコンバレー出身のデータサイエンティストが設計したアルゴリズムでお客さま一人ひとりにあったシャンプー&トリートメントの処方をつくります。処方は9600通りに分かれており、まさにオーダメイドのヘアケアと言えると思います。
--もう少し、商品について教えてもらえませんか。
根羽清ココロ 髪のダメージが気になる、髪のボリュームが気になるなど、お客さまの目的に合う数種類のベース基剤に、お客さまが選んだ香りをブレンド(第1のブレンディング)した「THE BASE」と、より細分化されたニーズに応える「INFUSION」があります。この二つをお客さま自身にブレンドいただく(第2のブレンディング)ことで、パーソナルの処方が完成します。「THE BASE」には、植物由来成分(毛髪・頭皮のコンディショニング成分)を配合していますから、髪を包み込むような極上の泡立ち、どこまでもしなやかな洗い上がりが楽しめます。一方、「INFUSION」は、ダメージ補修や、質感向上など、機能特化型のタンパク質を配合した美容液。「THE BASE」と「INFUSION」の組み合わせによって、使ったその日から髪の質感変化を実感いただけるんですよ。
--ヘアサロンに足を運ぶことが必須なんでしょうか。
根羽清ココロ いいえ、20年7月にローンチしたアプリを使えば、いつでも、どこでもコンステラの商品を買えるんです。
--スタイリストとのやりとりは不要になるんですか。
根羽清ココロ 「My CONSTELLA」は、頭皮や頭髪の自己診断のほか、カウンセリング履歴、処方履歴、注文履歴を閲覧、蓄積できる画期的なアプリなんです。スマホにダウンロードした後、ここでも約30項目の質問に答えていただきます。このセルフチェックの結果をQRコード化した上で、ヘアサロンに足を運び、ヘアスタイリストの対面カウンセリングを受けることもできるんですが、「My CONSTELLA」のすごいところは、オンラインでも対面と同じようにサービスを受けられることなんです。じつは、コンステラ契約サロンのなかでもカウンセリング実績が高い40の美容室(21年1月現在)に在籍するヘアスタイリストさんがセルフチェックの結果を確認。アップロードしてもらった髪の写真なども参考にしながら、そのお客さまカウンセリングをします。
--長年、店頭販売の伸び悩みが課題のヘアサロン業界において、新しいソリューションを提供しているわけですね。
根羽清ココロ 対面、オンラインどちらでも、カウンセリングを行い、お客さまが商品を購入すると、その額に応じた手数料をアノマリーからヘアサロンに支払う仕組みなんです。つまり、ヘアサロンは無在庫で商品を紹介することができるので、ビジネス上の負担は少ないんです。さらにお客さまの来店が少ない曜日や時間帯にオンラインカウンセリングを行うことで、経営効率も高められると思います。そしてアノマリーは、「My CONSTELLA」と同時に、独自開発したヘアサロン向けカウンセリングシステム「OVNI(オヴニ)」もリリース。これはヘアサロンがこれまで築き上げてきたお客さまとのつながりを強化するためのデジタルツールで、経験に裏付けられたスタイリストが持つ技術や感性を生かしたカウンセリングをサポートしていきます。
--生活者の反響はいかがでしょうか。
根羽清ココロ お客さまの反応もさることながら、ロート製薬で働く女性たちもリピーターが増えているんです。例えば、20代の女性社員は、テスターを使って香りに惚れこみ、さらにハリ、コシが弱い髪質が変わった、と喜んでいます。香りは「Irish Linen of Five Stars(レイトチェックアウト・リネンにくるまれたときの清潔感とやすらぎの香り)」「In The Silence(寺院へと続く道・苔むす細道を歩くときの落ち着きある静寂の香り)」「White Bouquet(予期せぬ出会い・花束から漂う可憐で幸せに満ちた香り)」「Night Prairie(草原のプラネタリウム・どこからか風で運ばれてくる透明感のあるクリアな香り)」「Two O’clock Pool Side(気怠い午後・日差しの中にたゆたう柑橘系の瑞々しい香り)」の5種類から選べるんです。それぞれ個性が豊かで、市販のヘアケア製品にはないものばかり。ロート製薬といえば、エビデンスに裏打ちされた機能訴求が得意なんですが、そこに香りという情緒的な価値が加えたことが、コンステラの素晴らしいところなんですね。
--昔から、髪は女の命というように、日本女性のヘアケアへのこだわりは強い。どのように新しいユーザーを呼び込むのでしょうか。
根羽清ココロ 機能価値、情緒価値それぞれに自信がありますから、一度使っていただければ、コンステラのファンになっていただけると思います。髪の質感変化を体感していただける代表的な三つの処方を集めた「C by CONSTELLA」(https://www.theconstella.com/product/)」を販売しています。しっとりとダメージケアしたい方には「No. 1204」、ふわっとボリュームアップしたい方には「No. 5553」、なめらかにスムースケアしたい方には「No. 3855」で、それぞれ7600円(税別・送料650円)になっています。