来店者に向けた情報発信でフロアの回遊を促す

「百貨店としての原点に回帰し徹底していく」。伊勢丹立川店ブランド営業部ブランドショップ(1F・2F)の渡辺健司フロアマネージャーはこう語る。新型コロナ禍で前年割れの状況が続く百貨店の化粧品売り場では、コロナ以前に提供していた百貨店ならではの接客に戻していく努力が始まっている。特に郊外店ではそうした取り組みが奏功し始めている。

郊外店ではお客が戻りつつある

例えば伊勢丹立川店は、今年4月に緊急事態宣言が発令され、2カ月の臨時休業を経て営業を再開して以降、8月頃まではそれまで新宿本店に行っていたであろう中央線沿線在住のお客が来店。化粧品売り場にもそうしたお客が訪店したこともあって、6月などは前年を大きくクリアするほどの実績となったようだ。ただ、営業再開してからもテスターの使用や美容部員によるタッチアップを禁止。長年積み上げてきた百貨店の化粧品売り場における接客の価値がほぼ提供できない状態になり、お客が店頭に訪れる意義が極端に薄れたのも事実。しばらくこうした状況が続いていたが、ここにきてスキンケアを中心にテスターの使用を徐々に緩和。感染防止対策を徹底したうえで、顔以外の部位で試用を開始している。カウンセリングについても、美容部員はタッチアップしないものの、カウンターに来たお客に寄り添い、アドバイスしながらお客自身にメイクを仕上げてもらうなど、以前の百貨店の接客の良さを改めて感じてもらう取り組みを進めている。渡辺フロアマネージャーは次のように言う。

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