プレミアム市場の活性化が成長のカギ

最大の市場規模を誇る女性用シャンプー・コンディショナー市場は、18年も微減でダウントレンドに歯止めがかからない。その要因は市場の大半を占めるマスヘアケアの縮小を高付加価値品のプレミアムケアが補いきれていないという状況にある。花王によると、800円未満のマス向け商品の比率は2010年の77%から18年には50%に縮小。一方、800~1400円の価格帯は11%から28%に、1400円以上は9%から19%に増加している。しかし、マス市場に対してプレミアム市場は、台頭する新興企業が切り開くスモールマス市場。製造は外部に委託して企画・開発に特化した中小メーカーがひしめき合い、市場の成長を押し上げるほどの存在に至っていないのが現状だ。プレミアム市場の活性化には大手メーカーの参入が不可欠となっている。

プレミアム市場では、ボタニカルを訴求した自然派ブランド「ボタニスト」を展開するI-neが急成長を遂げていたが、ユニリーバ・ジャパンやコーセーコスメポートなど大手各社がボタニカルを訴求したヘアケア製品を相次いで投入。中でも、扱いにくい髪の悩みをケアし、理想の仕上がりに導くサロン発想のコーセーコスメポートが発売したボタニカルヘアケアブランド「サロンスタイル ビオリス」がヒット。その結果、18年はコーセーとI-neの順位が入れ替わり、コーセーがシェアを2.7ポイント上げ6位に浮上している。

コーセーコスメポートは2019年3月、「サロンスタイル ビオリス」から「スリークストレート」と「エクストラエアリー」の2シリーズを発売した


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