上場企業の役員に占める女性割合3割を目指す30%Club Japanは、初のアニュアルレポートを発行した。これに伴い、11月5日にメディア向けオンライン説明会を開催した。
今回発行したアニュアルレポートは、投資家から企業に対して行ったエンゲージメントの成功事例を紹介。投資家および企業双方がより良い対話を行ううえでのベストプラクティスを広く共有することを主目的としている。
オンライン説明会では冒頭、30%Club Japanの概要と活動およびインベスター・グループの活動について紹介。英国に2010年に設立された30%Clubは、企業の持続的成長の実現を目的に活動するグローバルなキャンペーン。企業の成長とともに、社会、国全体の成長も見据えた活動だ。その日本支部でもある30%Club Japanは、2019年5月に14カ国目の展開国として正式に活動を開始。2030年までにTOPIX100の役員に占める女性割合を30%にすることを目標に掲げている。30%としているのは、変化を起こすために必要な最低限の量として定義。例えば取締役会の30%になれば意思決定に影響を及ぼすことが可能になると捉えている。
また、インベスター・グループの活動に関しては、その目的として企業のトップ層のジェンダーダイバーシティの促進を通じ、投資先企業の中長期的企業価値を高め、株主利益の最大化を図ることと設定。そのための具体的なアプローチとして①Statement of Intent を表明し賛同する機関投資家からなるコミュニティを形成②ベストプラクティスを議論し、投資先企業トップの多様性促進に向けたベストプラクティスを確立③業界全体に浸透させていくの3段階で進め、TOPIX上位100社における女性役員比率30%というゴールを目指す。
アニュアルレポートでは、機関投資家と企業と行った建設的な対話のなかから成功事例五つを紹介。継続的なエンゲージメントでダイバーシティを議論、女性管理職拡大のためのパイプライン育成、全社へのポジティブ影響、経営陣による実効的なコミットメントの四つの視点で成功事例を選出している。こうした成功事例を紹介することで、これにより投資家、企業双方がより良い対話を行うことができるかつこのより良い対話を広く共有する考えだ。