日本国内が新型コロナウイルスへの対応に追われる4月24日、武田薬品工業OTC部門の子会社、武田コンシューマーヘルスケア売却の報道が駆け巡った。ファイナンシャルアドバイザーに野村證券を起用し、売却に向けた準備を進めているとされ、入札企業の具体的な名前も挙げられている。

武田薬品が2018年にアイルランドの製薬大手シャイアーを約6兆8000億円で買収することを発表した直後から、武田コンシューマーヘルスケア売却の噂は出ていた。折しも、武田薬品が東京本社ビルを売却し、武田薬品本体と武田コンシューマーヘルスケアが別々のビルに入居したことも売却の噂を加速した。OTC業界再編の狼煙が上がるかに思われたが、翌19年1月にシャイアーの買収を完了した旨を発表した際に、武田薬品のクリストフ・ウェバー社長が売却を否定したことで立ち消えとなっていた。それがここにきて再燃した格好だ。

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