J・フロントリテイリングは6月11日、大阪・心斎橋の「大丸心斎橋店本館」を9月20日にリニューアルオープンすると発表した。2016年より工事に入っており、86年ぶりの本館建て替えとなる。関西初37店舗、新業態50店舗を含む専門店370店が出店し、最前線スポットが集結した心斎橋エリアのランドマークを目指す。
地上11階、地下3階建てで、売り場面積は約4万㎡と約3割増やした。7階には屋外テラスを設け、館内には高さ50mの大型発光ダイオード(LED)モニターでデジタルアートを見せるほか、イタリア・ミラノのデザインイベント「ミラノ・フォーリサローネ」と連携し、アート作品を展示するイベントも行う。また、オープンスペースで食事を楽しむフードホール(地下2階)のほか、インバウンド向けに日本のポップカルチャーやものづくりを発信するフロア(9階)を設ける。
化粧品や宝飾品売り場では大丸が商品を仕入れ、従来の百貨店スタイルで販売する。4~6階は東京・銀座の複合商業施設「ギンザシックス」のように入居店舗から賃料を得る専門店を充実させ、各店舗の自律性と世界観を重視する。J・フロントリテイリングの山本良一社長は6月11日、大阪市内で開かれた記者会見に出席し、「脱・百貨店のビジネスモデルで成功したギンザシックスのエッセンスを大丸心斎橋店本館に導入した。約300年の歴史がある百貨店としての強みを伸ばした上で新たな魅力を加えていきたい」と語り、百貨店と専門店を組み合わせた複合施設であることを強調。その上で「消費者の価値観が多様化する中、次世代、世界に通用する百貨店の進化形を示していく」と語った。
なお、現在営業している北館は改装を控えており、2021年に「パルコ」と「専門店街」の複合施設としてオープンする予定だ。