資生堂は5月30日、世界最大のドラッグチェーンであるワトソンズグループ(所在地:中国香港)と、戦略的提携を結び、今後共同で商品開発や社会貢献などの分野で取り組むことを発表した。資生堂の研究開発力およびブランド力と、ワトソンズの保有する小売ネットワークと消費者インサイトデータを融合させることにより、日本への興味や関心をさらに喚起させ、アジアを中心とするお客に適した商品とサービスを提供していく。

ワトソンズは、1841年に香港に設立されたヘルスアンドビューティ分野で世界最大のドラッグチェーン。25の国と地域で展開する12の小売ブランドの下に、1万5000店舗を運営し、店舗とECサイトを合わせた年間の総客数は52億人を数える。

資生堂グループ商品のワトソンズでの取り扱いは1987年に台湾でスタートし、現在はアジアを中心に10ブランド以上を展開している。今年4月、ワトソンズの独占販売により、敏感肌向けスキンケアブランド「dプログラム」を中国市場で発売し、発売初月には、計画を大きく上回る好調なスタートを切った。また、共同で商品開発を手掛けた「dプログラム」の「アーバンダメージケア」は、2018年10月よりタイと台湾で販売し、中国でも今年7月より発売予定。

今回の戦略的提携では、「専用商品の共同開発」「市場の拡大」「社会貢献活動」などを重点項目とし、「dプログラム」に続き、アジアで展開するコスメティクスブランド「Za」とスキンケアブランド「専科」からも商品を共同開発する。また中国では、ワトソンズの有する3600店の小売ネットワークを通じ、資生堂グループのブランド売り上げのさらなる拡大を推進する。さらに、今後の市場拡大が期待されるインドネシアとフィリピンにも注力していく。