ファンケルは、シワやたるみのメカニズム解明の一つとして、加齢で真皮のコラーゲンの量が減少するだけでなく、コラーゲンの質も変化することに着目。なかでも、細胞とコラーゲンを接着させるコラーゲン受容体タンパク質「DDR2」に注目し、その機能性の解明を進めてきた。その結果、DDR2が、コラーゲン受容体の中で、コラーゲン線維の形成を最も促進させることを発見した。なお同研究結果は、8月25、26日に青森県弘前市で開催された第14回加齢皮膚医学研究会にて口頭発表された。

皮膚の線維芽細胞には、DDR2のほか、インテグリンβ1、Endo180という3種類のコラーゲン受容体が存在しているが、同研究ではこの3種のコラーゲン受容体の発現量をそれぞれ少なくした線維芽細胞を作成し、コラーゲンの線維形成との関連性について検証。その結果、DDR2を減少させた細胞では約50%コラーゲン線維形成が抑制されており、そのほかの2種よりも、コラーゲン線維形成を大きく抑制していることから、3種のコラーゲン受容体でDDR2がコラーゲンの線維形成に最も影響することが判明した。

DDR2の発現量を人工的に増加させた細胞を用いた実験からは、DDR2を増やすことで効果的にコラーゲン線維形成が促進されることを発見。また、DDR2についての更なる研究の結果、月見草(メマツヨイグサ)のエキスにDDR2の発現量を増加し、コラーゲンの線維形成量も増加する作用があることも発見した。

同社はこの研究結果を、コラーゲンの質にこだわりながら、再生を促すことが期待できるスキンケア製品の開発に応用している。