食と口腔を結ぶ企業横断の挑戦

高齢になっても、好きなものを食べ、家族や友人との食事を楽しむ。その喜びを支えることが、オーラルケア市場の新たな成長機会になろうとしている。歯や口腔機能が衰えれば、食べられる食品が限られ、食事の楽しみだけでなく、栄養摂取にも影響する。逆に、口の健康を維持できれば、食品の選択や外食、旅行先での食事など、さまざまな食生活を長く楽しめる。こうした可能性を秘める異業種連携に取り組んでいるのが、日本フレイル予防サービス振興会だ。食品企業を中心に発展してきた活動に、ライオン、花王、サンスター、ロッテなどのオーラルケア関連企業が加わった。2027年1月には「オーラルフレイル分科会」の正式発足を予定している。健康寿命の延伸という社会課題の解決を、産業界の新たな需要創出につなげる挑戦が始まっている。

フレイルとは、加齢に伴って心身の活力が低下し、健康な状態と要介護状態の中間にある状態を指す。早期に気付き、適切に対処すれば改善が期待できる。予防の基本は、栄養、身体活動、社会参加の三本柱だ。このうち栄養には、バランスの取れた食事に加え、嚙む、飲み込むといった口腔機能の維持も含まれる。どれほど栄養価の高い食品を用意しても、十分に嚙めなければ食べられるものが限られる。一方、口腔機能が保たれていても、食事の内容が偏れば必要な栄養を確保できない。食べるものと食べる力は、切り離して考えられない関係にある。

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