「OSAJI(オサジ)」は11月25日、エイジングケアシリーズを約7年半ぶりに全面刷新する。2019年にブランド初のエイジングケアラインとして投入した「KAI(カイ)」を「hisn(ヒスン)」に改称し、処方、香り、パッケージまで一新。クレンジングからアイクリームまで全6品をそろえる。従来の「美しさを解放する」という思想から、年齢による変化を肯定し、重ねた時間を魅力と捉える「ウェルエイジング」へとエイジングケアの考え方自体を進化する。

全6品をそろえるhisn

hisnの名称は、世阿弥の『風姿花伝』で説かれる「秘すれば花」の思想に着想を得た。OSAJI CEO兼ブランドディレクターの茂田正和氏は、今回KAIの名称を踏襲しなかった理由について、ブランド内でエイジングケアに対する考え方そのものが変化したと説明する。「KAIは“美しさを解放する”という考え方が一つのテーマだった。一方で現在は、年を取ることを否定するのではなく、美しく年齢を重ねる『ウェルエイジング』を大切にしている。美しさは内に秘められ、年齢を重ねることでにじみ出てくるものだという考えに変わってきた」と語る。

OSAJI CEO兼ブランドディレクターの茂田正和氏

今回の刷新では、こうした思想の転換を皮膚科学的なアプローチにも落とし込んだ。OSAJIが重視したのは、年齢とともに乱れやすくなる肌のターンオーバーだ。一般的なエイジングケアでは、ハリや弾力に関わる真皮など肌のより深い部分の変化に着目するケースが多い。一方、敏感肌をブランドの原点とするOSAJIは、肌のバリア機能を守ることを大前提に、角層を健全な状態に保つところからエイジングケアを組み立てる。茂田CEOは「成分を真皮や表皮の奥深くまで届けるためにバリアを通過させることは、敏感肌にとって刺激になる場合がある。われわれはあくまでバリアを守ることを最優先にし、角層を健全に保つことからエイジングケアを考えている」と述べた。

年齢を重ねると、ホルモンバランスの変化などによって皮脂量が減少し、肌表面が中性からアルカリ性に傾きやすくなる。その結果、古くなった角質細胞同士の結合を分解する角層酵素「カリクレイン」の働きが鈍り、不要な角質が蓄積。キメの乱れやくすみ、ざらつきなどにつながるという。そこでヒスンでは、角質を積極的に取り除くのではなく、肌が本来持つ「自然に剥がれ落ちる仕組み」を整えるという発想で処方を再設計した。

カリクレインに着目して選定した保湿成分の「乳酸球菌培養溶解質」を新たに配合。さらに、従来から採用していたアルペンローズエキスに加え、カルノシンや保湿型ビタミンC誘導体を新配合した。通常のヒアルロン酸の約2倍の保湿力を持つアセチルヒアルロン酸Naも取り入れ、年齢とともに変化する肌のうるおい環境を整える。ローション、セラム、クリーム、アイクリームの保湿4品では、新たに「乾燥による小じわを目立たなくする」効能評価試験を実施し、効果を確認した。

ラインアップは、「オサジ ヒスン クレンジングオイル」(150mL・4620円)、「同 ウォッシングフォーム」(160mL・4180円)、「同 リンクルローション」(120mL・5280円)、「同 ディープリペアセラム」(50mL・8800円)、「同 リンクルクリーム」(50g・6600円)、「同 リンクルアイクリーム」(20g・6050円)の6品。クレンジングからスペシャルケアまで一連のラインとして再構築した。

香りもKAIのローズを基調とした世界観を受け継ぎながら、ゼラニウムの甘さにグレープフルーツやレモン、セージなどのシトラス、ハーバルを重ね、より日常になじむフローラルシトラスへと変更した。アイクリームのみ無香料とする。パッケージデザインは建築家の永山祐子氏が担当した。永山氏は、OSAJIというブランド名が、江戸時代に匙を使って薬を調合した医師「お匙」に由来することから、「手に取り、すくう」という所作や“処方する”という思想をデザインに落とし込んだ。ボトルには時間の移ろいを表すグラデーションに江戸切子の文様を重ね、ポンプやキャップには経年変化を想起させる銅色を採用する。

OSAJIは台湾や香港で展開を始め、マレーシアや韓国にも進出を予定する一方、北欧を中心とした欧州からも引き合いが増えている。茂田CEOは「日本のブランドがK-Beautyをそのまま追いかければ、世界が求めているJ-Beautyではなくなってしまう」と指摘。その上で「日本人の『若く見られたい』というニーズが大きいことは理解しているが、本来持つ美意識をきちんと大切にしたい」と話す。侘び寂びにも通じる、変化や時間の経過そのものに価値を見いだす美意識を製品に反映し、OSAJIならではのJ-Beautyを海外にも訴求していく。

OSAJIは2017年に誕生し、日本的なデザインや原料、処方を取り入れながら、消費者の肌悩みや使用シーンに応じた製品を展開してきた。群馬県でめっき業を手掛ける日東電化工業が展開していたが、23年に同社がOSAJI事業を吸収分割し、新会社OSAJIを設立。同年11月には丸紅と、群馬銀行の投資専門子会社ぐんま地域共創パートナーズが運営するファンドを通じて資本業務提携を結んだ。資本提携を機に直営店の出店やアジアを中心とした海外展開を進めている。