資生堂は、台湾の生産拠点である新竹工場を2027年下期に閉鎖し、日本国内の工場へ生産を移管する。グローバルでの生産体制を見直し、稼働率向上とコスト効率改善を図る狙いだ。あわせて台湾事業は流通機能に経営資源を集中し、より機動的な事業体制への転換を進める。

同社は25年11月に公表した「2030中期経営戦略」において、「グローバルオペレーションの進化」を柱の一つに掲げる。今回の決定はその具体策であり、生産・物流体制の最適化を通じてブランド価値最大化と持続的成長を目指す取り組みの一環と位置付けられる。

対象となるのは、連結子会社である台湾資生堂股份有限公司(持分比率51%)の新竹工場。同工場は台湾およびアジア太平洋市場向けのスキンケア商品などを生産してきたが、今後は那須工場など国内拠点へ製造を移管する。これによりグローバルでの工場稼働率を高めるとともに、サプライチェーン全体の効率性向上を図る。

閉鎖スケジュールは、27年第1四半期に生産を終了し、同年下期に工場を閉鎖する予定。工場閉鎖に伴う費用として約35億円の非経常項目を見込み、26年12月期に約20億円、27年12月期に約15億円をそれぞれ計上する。これらの費用はすでに26年の業績予想に織り込み済み。

今後、台湾資生堂は現地市場での流通事業に軸足を移し、販売・マーケティング機能の強化に注力する。生産機能を日本へ集約する一方で、地域ごとの市場対応力を高めることで、グローバルでの収益構造の再構築を進める。