ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業では、顔画像を用いた印象評価試験により、顔の中でもシワができると認識されていない部位にできる、自覚しづらい「散在シワ」とほうれい線や目尻にできる自覚しやすい「定着ジワ」において、肌やその人の印象に及ぼす影響が異なることを明らかにした。

ポーラ化成工業では、以前の研究にて、顔の中でも自覚しづらい「散在シワ」が、シワと関わり深い「肌の弾力性」や「肌のうるおい」だけでなく、さまざまな肌印象に影響しており、さらに人物印象にも影響していることを確認した。一方、ほうれい線や目尻にできる自覚しやすい「定着ジワ」も、人物印象に影響することを確認している。そこで今回、散在シワと定着ジワ、それぞれが肌印象と人物印象に与える影響を比較した。

日本人女性約500名を対象に、散在シワあり、定着ジワありの顔画像(図1)とシワなしの顔画像をそれぞれ見比べてもらった。

【調査方法】

■評価用画像の作成

評価用画像は、数人の顔画像から架空の人物画像を“シワなし”画像として作成し、それをベースに散在シワを付与した“散在シワあり”、定着ジワを付与した”定着ジワあり”の画像を作成した(図3)。各シワには実在の人物より抽出したシワを使用した。シワ以外の影響を除外するため、シミや毛穴などのその他の肌の要素を除去した。

■評価者 全国の20~60代の日本人女性515名(各年代約100名)

■評価方法

Webアンケートにて、パソコン画面上に“散在シワあり”と“シワなし”、または”定着ジワあり“と“シワなし”の画像をそれぞれ提示し、評価項目について、「左の画像の方がとても感じる」~「右の画像の方がとても感じる」の中から最も当てはまるものを一つ選んでもらった。各評価者の回答結果を、「シワあり画像の方がとても感じる(0点)」から「シワなし画像の方がとても感じる(5点)」までの6段階の点数にした(図4)。

■評価項目と結果解析方法

<肌印象>15種類の肌印象について質問した。回答結果を、「肌の弾力性」に関する5印象、「光学的特徴」に関する4印象、「肌表面状態」に関する4印象、「肌のうるおい」に関する2印象に分類し、それぞれの分類での平均点を求めた(表1)。

<人物印象>人物印象については、対人認知構造を構成するとされる3要素(活動性、個人的親しみやすさ、社会的望ましさ)から15の印象を抜粋して質問した(※1)。回答結果を、対人認知構造を構成する基本次元(「外向性」「親和性」「温厚性」「明朗性」「誠実性」「理知性」「力本性」)の7印象に分類し、それぞれの分類での平均点を求めた(表2)。

・調査期間:25年3月19日~24日

・解析期間:25年8月1日~10月1日

※1林文俊(1978)対人認知構造の基本次元についての一考察:名古屋大学教育学部紀要(教育心理学科),vol.25,pp.233-247から抜粋、改変して使用

結果、散在シワあり顔とシワなし顔の比較において、シワなし顔の肌印象としては、「なめらかさを感じる」などの「肌表面状態」が最も多く選ばれ、散在シワが肌表面状態の印象に影響していた(図2)。

定着ジワあり顔とシワなし顔を同様に比較し、人物印象について、各評価者の平均点から全評価者の平均を求めた(図5)。点数が2.5より高いほど、シワなし画像が選ばれた程度が高いことを示す。シワなし顔の肌印象は、「ハリを感じる」などの「肌の弾力性」が最も多く選ばれ、肌の弾力性の印象に影響していた。散在シワありとシワなしの比較では、「外向性」が最も平均点が高い結果となった。一方で、定着ジワありとシワなしの比較では「力本性」が最も高い結果となった(図5)。

以上の結果から、人物印象においても、散在シワと定着ジワでは、それぞれが目立たなくなった場合に人物印象に与える影響が異なることが示唆された。人物印象においても、散在シワと定着ジワでは、印象に与える影響が異なる結果となった。顔全体に現れる自覚しづらい散在シワをケアすることと、ピンポイントに目立つ定着ジワをケアすることで、総合的な肌印象の改善が期待できると考えられる。