ロート製薬のパーパスは「人を、社会を、明日の世界を元気にする」である。その実現に不可欠なパートナーである全国の取引先を招き、未来共創サミットを11月18日に開いた。同社は6月に経営体制を一新。だが、経営陣の顔ぶれが変わっても、1899年の創業以来、いつの時代も経営の中心に「人の心」を置くことに変わりはない。コーポレート・スローガン「ロートは、ハートだ。」は、すべての人と社会をウェルビーイングに導き、明日の世界を元気にすることを指している。店頭を通じて消費者の暮らしに寄り添い、ロート製薬の商品を届ける小売業は、パーパス「人を、社会を、明日の世界を元気にする」実現に向けた最重要パートナーである。だから、瀬木英俊社長は、小売業との協働を通して社会課題を解決することが重要と語った後、「これが我々従業員全ての行動の指針であり、126年創業の長い歴史の中で一貫として守り続けてきたものです」と強調した。

パーパス実現に向け、招待したパートナーに思いを語る(瀬木英俊社長)

経営陣のプレゼン後、取引先にロート製薬が取り組む戦略について社員が解説した。例えば、「サイエンスが切り拓く、スキンケアの未来」「日本素材の可能性を、新しい価値へ」「中医学の知見で統合的な予防・未病ケアへ」「ボーダレスに繋ぐ、医療と日常ヘルスケア」「自社製造へのこだわり」「地域とともに作るWell-being」「グローバルの繋がりが導く未来」がそれである。未来共創サミットの最後、山田邦雄会長は、次のように挨拶した。

「せっかくお越しいただくので、いろいろ工夫をしようと思い、盛りだくさんにしすぎてしまいました。皆さんには、いろいろと考えて準備したんだな、という気持ちも伝わったのではないかと思っております。私たちが日々の仕事に取り組むうえで大切にしている考え方『7つの宣誓』は、第1項目『我々は明日の社会を支えるために仕事をしている』という話から始まり、最後は『すべてのものへの感謝』で締めくくられています。本当に、改めて日頃のご支援、そしてこれからのご指導・ご鞭撻に感謝を申し上げたいと思います」

胃薬、目薬から始まったロート製薬の事業領域は、時代とともに大きく変化している。OTC医薬品、スキンケア、再生医療、中医学などが融合した先にあるロート製薬の姿は、どうなっているのだろうか。どんな姿であっても、製販一体で日本のライフスタイルを変えていることは間違いない。

月刊『国際商業』2026年01月号掲載