消費者ニーズをもとに議論が進む
ロート製薬の実態は見えにくい。創業は1899年で、祖業は胃腸薬。その後に手掛けた目薬は国内トップシェアだ。2000年代に入ると、スキンケア、健康食品、食、再生医療など事業領域を拡大。日本企業が今後狙う新興国市場進出も一歩先を行き、すでに稼ぐ力を持っている。そしてM&A・出資にも積極的で、関連会社は約180社に上る。25年3月期の売上高は10年前に比べて約2倍に拡大(図)。創業126年の老舗企業がベンチャー企業のように変わり続けるから、成長企業として注目されているのに、ロート製薬の全容を把握するステークホルダーは少ないのではないか。
ロート躍進の立役者は社員である。営業、商品企画、広告・宣伝、研究開発など、全部門の社員が消費者ニーズをくみ取り戦略と戦術を考え、率先して実行する。海外も同じで、現地の消費者を理解して行動するために現地化を徹底する。この消費者起点の行動原理を継続できるところに、ロート製薬の競争力の源がある。
この情報へのアクセスはメンバーに限定されています。ログインしてください。メンバー登録は下記リンクをクリックしてください。