ディーエイチシー(以下、DHC)は、圧搾せず採油した希少なオリーブオイルには、オリーブオイルの特有成分“オレオカンタール”が豊富に含まれており、この成分が肌の炎症の“第一波”を効果的に抑制し、コラーゲン分解酵素の発現増加を抑制することを新たに発見した。
同社では、エクストラバージンオリーブオイル(オリーブの実を搾っただけで化学処理をせず、酸度が0.8%以下のオイル)の中でも、いっさい搾らずに採油する希少なオリーブオイルについて研究を行ってきた。また、「オレオカンタール」はオリーブオイルに含まれる天然成分であり、肌の健やかさを保つために重要な役割を果たす。同社では今回、このオレオカンタールの働きに注目し、更なるオリーブオイルの研究を進めた。

オリーブ
紫外線により表皮層で生じる炎症の“第一波”が真皮層にも及び、コラーゲン減少や肌老化を招くことは既に知られている。近年、この“第一波”のメカニズムにインフラマソームと呼ばれる炎症の発生装置が関与していることが明らかになった。しかし、このインフラマソームの活性化を抑える天然成分はこれまで報告されていなかった。そこで、インフラマソームの活性化を抑える天然成分を探索し、オリーブオイルに特徴的に含まれる成分の働きに注目して研究を進めた。
①成分分析試験
通常のオリーブオイル、および標準品と呼ばれる一般的なエクストラバージンオリーブオイルと圧搾せず採油したエクストラバージンオイルに含まれているオレオカンタールを、HPLC-MS/MSという分析装置を使って分析試験を実施した。その結果、オレオカンタールは標準品に比べてエクストラバージンオリーブオイルに5倍以上多く含まれ、特に「圧搾せず採油したオイル」ではさらに高含有であることが新たに明らかになった。

各種オリーブオイルに含まれるオレオカンタールの定量比較
②細胞試験
表皮角化細胞においてインフラマソームの活性化により生じた炎症を測定する細胞試験を実施した。その結果、オレオカンタールはインフラマソームの活性化を顕著に抑制し、抗炎症成分として広く知られているグリチルリチン酸と比べて約4.5倍の阻害率である73%と高い効果を示すことを発見した。
また、インフラマソーム活性化による炎症の第一波の影響は真皮層にも及び、コラーゲン減少や肌老化を招くことが知られている。そこで、紫外線を照射してインフラマソームを活性化させた表皮角化細胞の培地を真皮線維芽細胞に添加したところ、コラーゲン分解酵素MMP-1の発現量の増加が確認された。

インフラマソームの活性化によって誘導される炎症に対するオレオカンタールの抑制効果
一方、紫外線を照射する前にオレオカンタールを添加していた表皮角化細胞の培地を真皮線維芽細胞に添加したところ、コラーゲン分解酵素MMP-1の発現がオレオカンタールを添付していない場合と比較して、マイナス45%と顕著に抑制されることを新たに発見し、コラーゲン分解酵素の発現増加を抑制することを明らかにした。この結果により、オレオカンタールが真皮層のコラーゲンの保護に役立つ可能性を見いだした。

紫外線誘発の第一波によるコラーゲン分解酵素MMP-1の発現増加に対するオレオカンタールの抑制効果
DHCは今後も科学的根拠に基づいた研究開発を推進し、安全・安心で効果的な商品とサービスを提供することで、お客の美と健康をサポートしていくとしている。























