ライオンは、衣料用洗剤「NANOX one(ナノックス ワン)」を全面刷新し、ブランド史上初となる新酵素を採用した「超酵素コンプリートジェル」として2025年9月に全国発売する。新処方では、従来の洗浄技術では落としきれなかった「菌由来のDNA」に着目し、これを分解・洗浄することで黄ばみやニオイを徹底的に除去する。

同社調査によれば、洗濯後に消費者が感じる不満点の上位は「エリソデの汚れ」「黄ばみ汚れ」「生乾き臭」であり、これらは一般的な洗剤では十分に解決できず、諦められているケースが多い。ライオンは長年にわたる酵素研究の成果を応用し、衣類に残留する菌由来DNAの分解を可能にする新酵素を開発。これにより、頑固な黄ばみや繰り返し発生するニオイの根本原因に対応できる洗剤を実現した。

ライオンは1979年に酵素パワーの「トップ」で初めて洗剤に酵素を導入し、88年には脂質分解酵素を採用した「ハイトップ」でさらなる進化を遂げるなど、酵素研究を企業戦略の核としてきた。今回のリニューアルでは、その研究の最新知見である新酵素の採用によって同社の洗浄・消臭技術が新たな段階へと至っている。

新しい「NANOX one」は、黄ばみ・黒ずみ・くすみを防ぎつつ色あせも抑える衣類長持ち処方を採用し、洗浄力と衣類のロングライフ化を両立させた点が特徴である。さらに、抗菌・ウイルス除去・洗濯槽のニオイ抑制効果を持ち、泡切れの良さから「すすぎ1回洗濯」にも対応。節水・節電・CO2削減といった環境負荷低減にもつながる。また、本体容器には100%リサイクルPETを採用し、持続可能性を意識した仕様となっている。

ラインアップは「NANOX one ニオイ専用」「NANOX one 洗浄プラス」「NANOX one PRO」の3品で、ニオイ専用は9月10日から、ほか2品は9月24日から全国で順次発売となる。それぞれ本体600グラムと複数容量のつめかえ用を用意し、オープン価格で展開する。

発売に先立ち、9月10日にはメディア説明会を開催した。ライオンのヘルス&ホームケア事業本部ホームケア事業部NANOX・アクロングループ長池英二ブランドマネージャーが登壇し、「従来の課題であったエリソデの汚れ、黄ばみ汚れ、生乾き臭といった〝永遠の悩み〟を一気に解決できる製品に進化しました。23年の前回リニューアル品発売時点から次の改良に向けて研究を続けており、約2年を経て今回の成果に結び付いた」と説明。また、会場では実際の洗濯を模した実験を行い、ブラックライトでDNA汚れを可視化しながら、従来品との性能の差を実証した。


洗濯の永遠の課題に、ライオンの酵素研究の最新知見で挑む

月刊『国際商業』2025年11月号掲載