ロンドンの繁華街ではこの夏、ビューティーブランドと人気スイーツ店やカフェとのコラボレーションによる短期のポップアップショップが相次いで展開されていた。抹茶を使用したドリンクや焼き菓子、オリジナルフレーバーのアイスクリームなど、いずれもSNS上で若年層に支持されているタイプのスイーツと連携しており、開催期間は2日〜3週間程度。場所はコラボ相手の店舗や特設スペース、あるいはフードトラックを活用するなどさまざまだが、ブランドの新商品に関連する体験機会や、商品イメージを反映した限定メニューなど、そこでしか手に入らない無料ギフトの提供は共通項で、それを目当てに訪れる人が大多数だ。告知はすべてソーシャルメディアを通じて行われ、開店前から行列ができることも珍しくない。

こうした手法は、近年米国を中心に定着してきた「アクティベーション(Activation)」と呼ばれる体験型マーケティングの潮流を踏まえたものだ。ビューティーブランドが伝えたい世界観を、香りや色調といった製品が持つ要素だけでなく、味覚・空間・参加体験と組み合わせて多角的に表現することで、消費者の認知と記憶への定着を促すことが目的とされる。加えて、一定期間・限定場所での提供により、体験そのものへの価値付けも意識されている。

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