ポップアップストアといえば、催事などに1~2カ月程度出店して、売り上げや認知を拡大する宣伝手段に使われる。だが、そこには普通の店舗とは違った意味合いが込められている。それは、製品をどのような理念や技術でつくっているか、提供する側の意思を消費者に伝え、ブランドの世界観に浸って興味を持ってもらう、それが目的だ。そこでポップアップストアには、その企業ならではの独特のカラーを演出して消費者に楽しんでもらう工夫が施されている。そうした狙いから、最近、ビューティブランド企業がユニークなポップアップを各地に展開している例が目立つ。

パルファン・クリスチャン・ディオールは今年の夏、7月1~31日まで、中国・マカオ国際空港に〝ディオールサマーパーティ〟と名付けたポップアップストアを開設した。国際的な免税店チェーンのDFSのTギャラリア店舗内に開設し、今後、世界のDFS店舗で展開していく予定だ。このポップアップストアはディオールを象徴するピンクカラーで覆われ、ピンクに染まった空間で顧客は、例えばピンク色の潤いで唇を満たすディオールのリップグロウを試すなど、ディオールのメイクアップアーティストからコスメティックやフレグランスの相談や指導を受ける。

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