マツキヨココカラ&カンパニーは、プライベートブランド(PB)戦略をさらに強化している。「高機能」「高濃度」「高付加価値」をキーワードに、スキンケア、オーラルケア、ヘアケアの3カテゴリーで新たなPB商品を一斉投入する。今回の新商品群は、2025年9月11日から全国のマツモトキヨシ、ココカラファイン店舗(一部店舗を除く)および自社ECサイトで発売する。これらの発売に先立ち、7月23日には新製品発表会を開催。
新ブランド「INJESK(インジェスク)」は、美容皮膚科学の知見を取り入れたスキンケアシリーズである。ブランド名はINJECTION(注入)とSKIN(肌)を組み合わせ、機能性成分を角層まで届ける発想を表現している。ラインアップは、2剤式美容液「NM10000 デュオ ドリップ セラム」(NMN1%+ナイアシンアミド配合)、「GS10000 デュオ ドリップ セラム」(グルタチオン1%+速攻型ビタミンC配合)、超微細化PDRN3%配合の「PD30000 ショット セラム」、PHA3%配合の角質ケア用「PH30000+LH ピールケア セラム」の4品。価格は3190〜4290円。成分濃度を明示することで、消費者が目的別に選びやすい構成とした。
オーラルビューティケアブランド「Hits Different(ヒッツディファレント)」も同日デビューする。洗面空間を含めたライフスタイル全体の質を高める提案型ブランドとして開発され、歯の美白、歯ぐきのうるおいケア、口臭予防に着目した。主成分にはアパタイトを最大50%配合し、歯のエナメル質ケアを強化。ラインアップは、日常使いのトゥースペースト4種(アパタイト5%配合)、プレミアム美白用トゥースペースト(同20%)、週1〜2回の集中ケア用美白パウダー(同50%)で、1628〜1980円で展開。ペーストでは日本のマス市場では珍しいアルミのパッケージを採用するなど、デザイン面での訴求も高めた。
さらに、今年4月に誕生した「matsukiyo CONCRED(コンクレッド)」からは、アウトバスケアシリーズ「ハイインテンシブケア」が新たに加わる。スキンケア発想をヘアケアに応用する「スキニフィケーション」の考え方に基づき、洗髪後の素髪に直接有効成分を届ける処方とした。「質感補正ヘアミスト(シルキーモイスチャー1%)」(100ミリリットル・1980円)は、ウレアとエルカラクトンを1%配合し、水相と油相の二層式で柔らかさとなめらかさを実現。インバス・アウトバス両用である点も特徴的だ。「ストレートヘアセラム(ストレート5%)」(同)は、サロン級成分トステア®を5%配合し、くせやうねりに対応する。pH6設計と適度なシリコン配合で髪のまとまりを保つ。
今回の3ブランドはすべて、カラーズとの共同開発。発表会では、カラーズの橋本宗樹社長や研究開発責任者の岡野利彦氏が登壇した。成分選定と濃度設計を前面に押し出しており、PBでありながら専門性の高い価値を訴求。マツキヨココカラ&カンパニー取締役グループ営業企画統括の松田崇副統括は、PBとして広告費用を抑えることができる強みを、機能性と信頼性に転化。PBのプレゼンスを高める戦略を進めると意気込みを語った。★
月刊『国際商業』2025年09月号掲載