これまで主に女性を中心に拡大してきた美容機器市場が、男性の間でも静かな盛り上がりを見せている。若年層を中心とした男性の美容意識の高まりを背景に、スキンケアやメイクといった従来の化粧品領域にとどまらず、美容医療や美容機器を通じてケアを深めようというニーズが顕在化し始めているのだ。特に、男性脱毛市場は注目だ。美容に関するリクルートの調査研究機関「ホットペッパービューティーアカデミー」が行ったエステサロン(脱毛)の利用に関する実態調査()によると、女性の脱毛市場が2021年をピークに年々減退しているのに対し、男性脱毛市場は21年から右肩上がりの成長が続いている。ひげ脱毛など、身だしなみや肌荒れを防ぐことを目的に利用者が増えているとともに、ひげ以外のVラインの部位での利用率も高まっており、デリケートゾーンのケアにも関心が高まっている。同調査によれば、過去1年間以内に1回以上脱毛サロンを利用した男性の比率は、23年から0.9ポイント上昇し6.1%。女性の24年の利用率は6.6%だったことを考えると、男性の間での脱毛意識の広がりが見える。

:調査概要
名称:「美容センサス2024年上期《エステサロン【脱毛】編》」
手法:インターネットリサーチ
期間:2024年2月1日(木)〜12日(月)

サロンなどのプロ市場が伸びれば、おのずとセルフケア市場にもその影響が出てくる。これまで「ギャツビー」などで男性用セルフケアアイテムを多数展開してきたマンダムは、長年の意識調査や商品の動きを通じて市場の変化を感じ取った。マンダムBX推進部の鳥越瑛介主任は「ギャツビーでは除毛アイテムも展開しているため、これまでも体毛ケアに関する意識調査を行ってきました。その中で、23年頃からは除毛よりも脱毛へと関心がシフトしている傾向が見えてきています。一度体毛のケアに意識が向くと、『毛をなくしたい』『少しでもケアのサイクルを長くしたい』といったニーズが生まれてくるのだと思います」と語る。

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