ファンケルは、オーダーメイドサプリ「パーソナルワン」の販売を通じて蓄積した食習慣・生活習慣アンケートの回答と尿検査の結果から、初回購入時20歳から69歳の男女3万3246人でストレスの有無(3万3246人のうち「イライラしている、怒りっぽい」と回答した人)と食品(肉類・魚類・大豆食品・乳製品など18種)の摂取頻度、BMI、運動習慣、および睡眠時間との関係性を解析した。

同社は1994年にサプリメントの販売を開始して以来、多くのお客の健康を「健康食品」で支えてきた。昨今は生活習慣が多様化し、「睡眠」「運動」の重要性が高まっている。そこで31年目を迎える同事業は、より多くのお客の健康に寄り添うべく、従来の健康食品による「食事(栄養)」面でのサポートに加え、「睡眠」「運動」の要素を強化し、お客の健康をトータルでサポートする「健康サポート企業」へと進化していく。

その一環として、「食事」「睡眠」「運動」の重要性を啓発すべく、3万人以上の尿検査、食習慣・生活習慣アンケートの回答を解析した「ファンケル健康ビッグデータ調査」を定期的に発信。今回は「ストレスの有無」と「食事・睡眠・運動」を解析した結果をまとめた。厚生労働省の令和6年版厚生労働白書においても、心身の健康に対する最大のリスクとして「ストレス」を挙げた割合は15.6%と、20年間で3倍に増えていることが分かっており、対策の重要性が高まっていると考えられる。

調査結果の詳細は、全部で七つ。

1.ストレスがある(イライラしている、怒りっぽい)と実感している割合は、男女ともに30代において最も高かった。

20代から60代の男女で比較したところ、男女ともに30代において、「イライラしている、怒りっぽい」と回答した割合が最も高かった。特に30代女性においては50%と、約2人に1人が「イライラしている、怒りっぽい」状況であることが分かった。

2.30代前半女性において、ストレスがあると回答した人は、回答しなかった人と比較して、体内の鉄の充足量が低かった。

女性の鉄の充足度は、年代によって大きく異なり、特に30代前半(30~34歳)女性において、「イライラしている、怒りっぽい」と回答した人は、回答しなかった人と比較して、尿中のフェリチンから推定した体内の鉄量が有意に低かった。

3.「全粒穀物」の摂取頻度が高い人ほど、ストレスがあると実感している割合が低かった。

20代から60代の男女ともに、「全粒穀物(玄米、発芽玄米、雑穀、全粒粉パンなど)」の摂取頻度が週1回以上の人は、週1回未満の人と比較して、「イライラしている、怒りっぽい」と回答する割合が有意に低かった。

4.「加糖飲料」の摂取頻度が高い人ほど、ストレスがあると実感している割合が高かった。

20代から60代の男女ともに、「加糖飲料(ジュースや缶コーヒーなどの砂糖を含む飲料)」の摂取頻度が毎日1回以上の人は、毎日1回未満の人と比較して、「イライラしている、怒りっぽい」と回答する割合が有意に高かった。

5.肥満(BMIが25.0以上)の人は、標準(BMIが18.5以上25.0未満)の人と比較して、ストレスがあると実感している割合が高かった。

20代から60代の男女ともに、肥満(BMIが25.0以上)の人は、標準(BMIが18.5以上25.0未満)の人と比較して、「イライラしている、怒りっぽい」と回答する割合が有意に高かった。

6.「週2回以上」の運動習慣のある人は、「ほとんどしていない」と回答した人と比較して、ストレスがあると実感している割合が低かった。

20代から60代の男女ともに、「週2回以上」の運動習慣(1回30分以上の運動)のある人は、「ほとんどしていない」と回答した人と比較して、「イライラしている、怒りっぽい」と回答する割合が有意に低かった。

7.睡眠時間が「6時間以上」の人は、「6時間未満」の人と比較して、ストレスがあると実感している割合が低かった。

20代から60代の男女ともに、睡眠時間が「6時間以上」の人は、「6時間未満」の人と比較して、「イライラしている、怒りっぽい」と回答する割合が有意に低かった。

以上の結果より、ストレスを軽減するためには、「食事」「睡眠」「運動」の3軸で対処していくことが重要であることが考えられる。

食事摂取基準の策定に携わった柴田克己先生は、「人はストレスを感じると、ストレスに対抗するホルモンであるコルチゾールを産生しようとします。このホルモンの産生には鉄が不可欠であり、鉄が不足するとコルチゾールの産生に影響が出てストレスにうまく対応できなくなる可能性があります。30代女性は仕事や家庭、月経や出産などにより、特に鉄が不足しがちです。パーソナルワンの蓄積データからも、30代前半(30~34歳)女性において、「イライラしている、怒りっぽい」と回答した人は、尿中のフェリチンから推定した体内の鉄の充足量が有意に低かったことが示されています。鉄不足はストレスを感じやすくなる一因となるため、意識的な鉄分摂取が重要です。また、全粒穀物を「週1回以上」摂取している人において、ストレスがあると実感している割合が低かったということも興味深い結果です。全粒穀物も鉄分をはじめとした微量栄養素や食物繊維を豊富に含む食材ですので、意識的に取り入れるのが良いでしょう。ストレスに強い心身を作る上で、バランスの取れた食事、そして質の高い睡眠や適度な運動と休息は、不可欠です。日頃から意識することで、ストレスに負けない健康的な生活を送りましょう」とコメントしている。

ファンケルは、持続可能な社会の実現への貢献と持続的な成長を目指して三つの重点テーマを設定している。その中の一つ「健やかな暮らし」について、年齢とともに生じる健康と美の課題や、女性特有の健康課題への対処を積極的に取り組み、本調査もその一環として実施した。今後もお客の健康をトータルでサポートする「健康サポート企業」へと進化すべく、同調査結果を踏まえ、「パーソナルワン」でこれまで蓄積してきた約5万件(2024年5月末時点)の食習慣・生活習慣アンケート回答と尿検査結果を多角的に解析し、新たな知見を発信していく予定だ。