アルビオン

油脂工業会館主催の技術論文で優秀賞を受賞

アルビオンは、一般財団法人油脂工業会館が主催する令和6年度油脂技術優秀論文で「優秀賞」を受賞した。

優秀賞を受賞した論文は新規乳化構造を有するクレンジング製剤開発に関するもので、学術的意義があると共に産業利用への貢献が高いことが評価され受賞に至った。

本論文はアメリカ化学会発行の学術雑誌「Langmuir」(2024年2月発行)のカバーアートにも採用され、注目を集めた。掲載誌名は「Langmuir,Vol.40,Issue 8,4077– 4086(2024)」。

受賞論文のタイトルは「Hierarchical Emulsion Structure and Functionality Regulated by Coexisting Bicontinuous Microemulsion and Liquid Crystal Domains」。

執筆者はアルビオン研究部スキンケア製品研究グループ新間優子研究員、信州大学佐藤高彰氏、フィレンツェ大学Piero Baglioni氏、日光ケミカルズ小倉卓氏。

2月21日の表彰式にて優秀賞を受賞した新間優子研究員

研究の概要としては、クレンジングオイルに応用されるバイコンティニュアスマイクロエマルション(BCME)は、クレンジング力に優れるものの低粘度であるため使用性に課題があった。

本研究ではラメラ液晶(LC)との共存によってBCME構造を維持したまま増粘することに成功し、これをBCLC乳化と呼ぶこととした。さらにこの乳化物は油相と水相が両連続的に混ざり合い、その油帯中に油滴が数珠状につながる非常にユニークな乳化状態であることも分かった。

機能性に関してもBCME由来の優れたクレンジング力を維持しているだけでなく、増粘することで課題であった使用性の改善、とろけるような感触を付与した新たなクレンジング基材の開発に成功した。