ポーラ・オルビスグループの研究・開発・生産を担うポーラ化成工業は、湘南ヘルスイノベーションパーク(略称:湘南アイパーク)とNSG BioLabsにそれぞれ新たな研究拠点を設立し、横浜研究所を含む三拠点研究体制を開始した。これにより、基盤研究レベルのさらなる向上、効率的な実用化技術の開発、迅速な価値提供の実現を目指す。

ポーラ化成工業は最先端・異分野の様々な外部機関との連携により、新価値を生み出している。 しかし、主要研究領域である皮膚科学において研究技術の高度化・複雑化が進み、競争が激化してきている。またポーラ・オルビスグループの事業領域拡大に伴い、従来の化粧品開発に加えて新事業に向けた多様な技術開発が必要となっている。そこで、基盤研究・実用化技術開発・提供価値のレベル向上及び本サイクルの加速を目的として、各プロセスに適した場所に新たな拠点を構え、必要な技術やネットワークなどを現地で調達し研究開発を行う「三拠点研究体制」を開始した。

世界に開かれたオープンイノベーションの場として生まれた湘南アイパークは、特に医療分野において学術レベルの高い研究者・企業が集まっている。皮膚科学・再生医療分野を中心に共同研究を積極的に進め、学術的に高度な基礎知見を生み出すため、湘南アイパークに新拠点を設置した。

シンガポールは世界中からバイオサイエンス・IT関連の最先端技術が集まるため、盛んにイノベーションが起きている。新たに拠点を設置したNSG BioLabsはシンガポールの国立研究機関や大学に加え、機械・材料工学の専門家との協業が容易に実現できる環境だ。ここでは、湘南拠点で生まれた基礎知見を元に実用化に必要な周辺技術を構築し、現地のベンチャー企業との連携により事業性検証を進める。

横浜研究所には化粧品の剤型技術や感性研究の知見が蓄積されており、2024年には剤型技術において研究から生産まで一気通貫した高度なものづくりを実現するテクニカルディベロップメントセンター(TDC:Technical Development Center)も誕生した。横浜拠点では、それらを湘南・シンガポール拠点で培われた知見・技術と融合し、化粧品、医薬部外品や美容医療等における最新鋭の製品・サービスを創出する。

現在、三拠点体制の初となるプロジェクトとして、一人一人のiPS細胞をもとに個性を反映した皮膚組織を創る「ミラースキン®」プロジェクトを推進している。今後、ポーラ化成工業はこの三拠点を密に連動させ、これまでにない新価値の創造・実装を加速させていく。