資生堂ジャパンが2024年2月29日に発表した新経営改革プラン「ミライシフトNIPPON 2025」は、早期退職1500人という数字が一人歩きし、いささか誤解が生じている。確かに、同社は45歳以上、勤続年数20年以上を対象に早期退職を呼び掛けた。想定人数は社員数の1割強に当たる。だが、これを単純なリストラと捉えると、本質を見逃すことになる。

早期退職の募集期間は4月17日〜5月8日で、対象者の全員が支援プラン(①退職時年齢に応じた特別加算金を通常の退職金に加算、②希望者に対して再就職支援サービスを提供)が提示される。資生堂ジャパンに残るか、新天地に移るか。その判断は本人に委ねる。ただし、想定人数に達しなくても追加募集を行わない。リストラであれば、一定数以上に社員を減らさなければ目的は達しない。今回の早期退職支援プランは、10年後、20年後を見据えた資生堂ジャパンの抜本的な経営改革に臨む覚悟を問うものなのだ。

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