希望者は育休中も業務にかかわれる
香川県の中央に位置する綾歌郡に本社がある勇心酒造は、安政元年(1854年)創業の老舗化粧品メーカーだ。米の力に着目した機能性成分「ライスパワーエキス」を使った化粧品の製造およびOEMがビジネスの中心。120人の社員のうち、女性は65人。産休・育休取得後の復帰率はほぼ100%で、女性管理職も多い。2018年、厚生労働省が女性活躍の優良取り組み企業に与える「えるぼし」認定の三ツ星を獲得。五つの認定基準をすべてクリアできたのは、社員一人一人のニーズに寄り添った柔軟な制度を確立したからだ。同社の徳山孝仁常務取締役は、次のように説明する。
「企業は、働き方が多様化している、という認識を持つことが大前提です。出産、育児のサポートも、社員それぞれで望むことは違います。だから、平等性を重んじると、会社にも社員にもメリットが希薄になってしまうのです。ですから、私たちは、一般的な産休・育休に加え、個のニーズに寄り添う働き方を提示するようにしています。それによって生じる不公平感の解消にも尽力しています」
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