マンダムの2023年3月期決算は、売上高前期比16.9%増の670億4700万円、営業利益は14億900万円(前期は23億800万円の損失)、経常利益は22億700万円(前期は18億5600万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は9億5800万円(前期は6億2100万円の損失)と利益は各段階で黒字転換した。
事業別にみると、好調だったのがギャツビーブランドだ。国内、海外とも2桁以上の伸長となっている。女性では、外出拡大の影響で海外のメイクアップ「PIXY」「SILKYGIRL」が特に好調だった。
所在地別では、日本の売上高は9.7%増の357億6900万円。ギャツビーから8月に発売したスキンケアシリーズが好調に推移。また、Z世代向け新スタイリングシリーズとして「メタラバー」を2月に発売。SNSを中心に話題化を図り、4月には追加施策としてCMを投下するなど積極的な投資を行った。ルシードエルの「酸熱トリートメント」を訴求した新商品も、マスヘアケアカテゴリーにおいて新市場を開拓することにつながり、好調に推移。これらの新製品が売り上げをけん引し前期を上回ったものの、21年3月期レベルには届かず、今後のさらなる回復が期待される。利益面においては、売上総利益の増加により、営業利益2億8200万円(前期は14億7300万円の営業損失)と黒字を達成。
インドネシアは、売上高は20.7%増の141億7800万円。ギャツビーで主力カテゴリーのヘアスタイリングにおいて、トレンドに合わせた新シリーズを発売した他、新製品のフレグランスも好調に推移した。また、「PIXY」の主力アイテム「PIXY Perfect Fit TWO WAY CAKE」などで積極的なプロモーションを行った結果、売り上げが伸長した。営業損失は6億7600万円(前期は12億400万円の営業損失)となり、赤字幅が縮小した。
海外その他は、マレーシアをはじめとした東南アジアでの売り上げが好調。海外各国における流通費用の削減を推進し、収益性を大幅に改善。また、直流通体制への移行を完了し、総代理店制から脱却。今後海外出店加速する日系小売業との取組強化を目的とした基盤を整備した。これらの結果、売上高は31.4%増の170億9800万円、営業利益388.5%増の18億200万円となった。
24年3月期は“変革・挑戦期”「MP-13」最終年度となるが、未曽有のパンデミックや気候変動、エネルギー問題などさまざまな外部環境が変化しているため、第14次中期経営計画「MP-14」をあらためて精査、現状に合わせてブラッシュアップし、スムーズなスタート・ダッシュが切れるための準備、環境整備に注力するとしている。①「人間系」企業実践に向けた社内環境整備②商品を通じた生活者へのお役立ちの再徹底――の二つをテーマに掲げ、「VISION2027」の実現につなげる考えだ。通期予想としては売上高5.9%増の710億円、営業利益49.0%増の21億円、経常利益は17.3%増の25億9000万円、親会社株主に帰属する当期純利益73.2%増の16億6000万円を予想する。