資生堂のグローバルラグジュアリーブランド「クレ・ド・ポー ボーテ」は、5回目となる今年度の「パワー・オブ・ラディアンス・アワード」の受賞者に、ベトナム・ハノイ出身のダオ ティ ホン クエンさんを選出した。クレ・ド・ポー ボーテは、毎年本アワードを実施するほか、ユニセフと長期的なパートナーシップを結び、世界中の女性のためのSTEM(科学、技術、工学、数学)教育、雇用、能力開発プログラムを支援することで、よりよい世界の実現を目指し活動に取り組んでいる。

ダオ ティ ホン クエンさん

受賞者であるクエンさんは、STEM教育の格差や地域社会の男女差別をなくすために活動している、熱心な生物学の教師。ベトナムでは特に、少数民族や障がい者、女子の割合が高い最貧困層の子どもたちの間で教育格差が広がっている。とりわけSTEM教育はほとんどが男子向けであるため、学力的に不利な少女たちの社会進出が阻まれる原因となっている。 2019年の10年生入試においては、少数民族が密集するベトナム北西部の辺境山岳地帯・ラオカイ省での女子の受験者数は、約10.5%ほどにとどまった。 さらにパンデミックが、ベトナムの教育格差をさらに悪化させている。

クエンさんは、ベトナムの社会から疎外された少女たちや弱い立場のグループの間でSTEM教育を推進し、理系分野でこうした子どもたちが参加できる機会を提供することで、現状を打開したいと考えている。彼女はジェネシス校の科学科の責任者として、過去8年間に渡りSTEM教育に大きく貢献したほか、ブリティッシュ・カウンシルの STEM プロジェクト 「Girl in STEM」のアンバサダーとして、レ・ホン・フォン高等学校 でプロジェクトを実施。女子生徒のSTEM教育への参加率を70%にまで上昇させた。

さらにコロナ禍では、教師向けに STEM 教育に関する 28 のオンラインウェビナーを実施。ベトナム国内84000 人以上の教師に、STEM やカウンセリングスキルなど、ソフトスキル開発に関する新しいコンテンツを提供した。

<クレ・ド・ポー ボーテ チーフブランドオフィサー・橋本美月氏のコメント>

この4年間に渡り、クレ・ド・ポー ボーテは、教育を通じた少女たちのエンパワーメントに取り組む女性たちを応援してきました。本年度の受賞者であるクエンさんは、ベトナム国内において多くの若者に教育の機会を与える活動に力を注いでおり、彼女の活動内容は『パワー・オブ・ラディアンス・アワード』の理念を体現しています。本アワードを通じ、私たち一人ひとりが、輝く未来に向けたよりよい世界の実現に貢献していくことを願っています。

<ダオ ティ ホン クエンさんのコメント>

私は、ベトナムにおける男女格差の問題解決に取り組むことで、少女たちに対する社会の姿勢を変えたいと考えています。少女たちがSTEM教育を受ける機会を与えられれば、学びに対する自信が芽生え、さまざまな制約に縛られることなく、自分の可能性を最大限に発揮できるようになるはずです。今回の受賞によって、ベトナムにおけるジェンダー格差を変えるSTEM活動を拡大するため、さらに貢献ができると信じています。