AI棚割作業の自動化で成果が生まれ始めた

花王の長谷部(佳宏社長)体制が始まったのは、2021年1月。コロナ、原材料高騰などの逆風に対応しつつ、事業構造改革を進めてきた成果が生まれ始めた。22年11月24日に開いた23年度方針説明会では三つのイノベーションについて進捗状況を説明。そして12月15日には、生活者と直接つながる双方向デジタルプラットフォーム「My Kao」を立ち上げた。花王と社会、花王と生活者の関係性は、明らかに変わり始めた。

花王は生活者との双方向デジタルプラットフォーム「My Kao」を立ち上げた

三つのイノベーションとは、サステナブル、カスタマイズ、コラボレイティブのことである。一つ目のサステナブルで将来的に目指すのは、すべての原料を高度に生まれ変わらせること。例えば、廃ペットボトルを道路に変えたり、使用済み紙オムツを高純度の炭素に変える取り組みが、それだ。特に廃ペットボトルを活用したアスファルト改質剤の研究開発は、従来のアスファルト合材に少量配合するだけで高耐久の舗装を実現する画期的な技術として、昨年表彰を受けている。「最終的に再生可能エネルギー100%の工場や、空中に浮かぶ炭素を固定して新しい原料を開発することにもチャレンジしていく」と長谷部社長は説明した。

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