9月19~22日、化粧品技術を発表する世界最大の国際研究発表会「IFSCC Congress 2022/第32回国際化粧品技術者会連盟ロンドン大会」が開催された。世界のビューティーサイエンス研究者が目標にするこの大会に、資生堂からは7名の研究員が参加し、口頭発表部門で2件、ポスター発表部門で5件の発表を行った。300を超えるポスター発表の中から、江連智暢フェローおよび岡本亨シニアサイエンティストの発表が「TOP10Posters」に選出された。また、江連智暢フェローがアジア圏企業から唯一、基調講演のスピーカーとして登壇した。
資生堂は1976年から2022年までの間、本大会・中間大会を含め、合計29回の受賞のうち最優秀賞25回、その圧倒的に多い受賞回数は、他社の追随を許さない技術力の高さの証しだ。
加齢や環境悪化等、肌に影響を及ぼす因子は多様で複合的。スキンビューティーを追求するには、単一の事象に応じた技術だけではなく、肌が本来もつ力を拡張していく、より包括的なアプローチが求められるようになってきた。これまで培ってきた強みとする技術や知見も生かしながら、新しい着想を加え、唯一無二の新たな価値を生み出す研究成果が各研究員から発表された。
IFSCCの発表は、新たに執筆した論文の提出が必須。その中でもわずか2割ほどが口頭発表に選ばれるため、研究者たちにとっては非常に狭き門。資生堂からは2名が選出され、井上代大悟研究員が「シミ研究の新展開~表皮細胞接着因子E-カドヘリンが関与するシミ形成の複合的メカニズムとソリューション~」、日吉淳也研究員が「イノベーティブな処方技術~心地よさとシワ改善効果をもたらす新たな乳化法の開発~」のプレゼンテーションを行った。
アジア圏企業から唯一、基調講演に登壇した江連智暢フェローは、「New horizon in anti aging skin care肌老化へアプローチするスキンケアの新境地」をテーマに、これまでの研究知見から最新の研究トピックス、今後の展望を紹介した。