2022年7月4日、ベアエッセンシャルの社長兼オルヴェオングローバル(Orveon Global)日本地区担当ゼネラル・マネージャーに菅野沙織氏が就いた。同社の主力ブランドは、資生堂が21年8月にプライベートエクイティファンド「Advent International Corporation」が出資する法人に譲渡したミネラルコスメ「ベアミネラル」である。菅野社長は前レブロン社長で、日本事業V字回復の立役者。苦境のベアエッセンシャルをどう立て直すのか。「女性経営者の集大成として命をかけて臨む」という菅野社長に話を聞いた。
原点に立ち返り化粧の価値を伝える
――ベアエッセンシャル社長を引き受けた理由は何でしょうか。
菅野 本心を言うと、ビジネスの一線から引退して、ファミリーライフを満喫するつもりだったんですよ。10年前にレブロンの社長を引き受け、6年間でネットセールスを2.6倍にしました。口紅が中心のセルフメイクブランドですから、コロナの影響は強く受けましたが、経営者としてやり切った気持ちが芽生えたんです。だから、レブロン時代の上司には21年6月にリタイアすることを伝えました。半年後の22年2月に社長を降りて、上級顧問として現レブロン社長にアドバイスしてきましたが、そろそろスローライフに入ろうか、というときにベアエッセンシャル社長のポジションを打診されたんです。
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