「セルフリッジス」は、1908年にアメリカ人H・Gセルフリッジによってロンドンのオクスフォード通りに創業された高級デパートだ。当時は都心とはいえ今ひとつ冴えない場所に建てられたのだが、英国ではまだ珍しかった大きなショーウィンドウが並び、100余りの売り場を抱える広い店内には9機のエレベーターが配置されるなど、まったく新しいタイプの大型店として開店時から大きな話題を呼んだ。たくさんの人が押しかけるようになり地域一体はあっという間に賑やかな繁華街へと発展した。

アイデアマンだった創業者は、食堂や屋上庭園などその後のデパートの定番施設となるような娯楽的要素を取り入れ、それまで「何かを買う必要ができたら行く」所だったのを訪問自体が楽しい経験となる「目的地」へと変身させた。店舗入口付近に香水と化粧品売り場を置き、入店した途端に素敵な香りに包まれる、というアイデアもセルフリッジ氏の発案だ。化粧品は男性に見られないようにこっそり買うもの、ゆえに売り場はできるだけ店の奥にという当時の常識や女性の意識を大きく変えたことでも知られる。

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