NIKKOGUARD® NATURAL

日光ケミカルズが提案している防腐効果を有する100%自然由来の化粧品用成分「NIKKOGUARD® NATURAL(ニコガード®ナチュラル)」は、化粧品に一般的に用いられるフェノキシエタノールなど石油由来の防腐剤の代替が期待される成分だ。大きな特徴の一つが100%自然由来の植物ミックスエキスであること。スイカズラ花エキス、大ウイキョウ果実エキス、薄ニアバルバタエキス、メボウキ花/葉エキスを主原料に水、植物由来のグリセリンで構成。100%自然由来を実現している。ナチュラル系の化粧品、サステナブルな製品への応用が期待される。さらに、抗炎症効果を有する植物エキスを含み、UV‐B波のダメージ緩和作用が確認されている。昨今では、化粧品市場でも防腐剤フリー、ナチュラルが一般に認知されており、ビーガンやクリーンビューティーなど注目されているジャンルも出てきている。こうした切り口の商品開発に携わる企業からは自然由来100%のものが求められる傾向にあるが、「NIKKOGUARD® NATURAL」はこの時流にも合致。業界内での注目は高まりそうだ。

「植物エキスを抽出するプロフェッショナルなINKOS社とタッグを組み、日光ケミカルズの処方のナレッジと組み合わせて、化粧品に応用しやすいように防腐成分として市場ニーズとどう合致させられるかを工夫し、上市に至った」(日光ケミカルズ)

これまでも自然由来の防腐効果のある成分、植物エキスなどが一般のメーカーから発売され流通していたが、防腐効果が十分でないケースもあった。自然由来抽出成分であるため、ロットにより効果にブレが生じやすく、剤型、pHなどの条件により十分な効果が発揮されないといった認識が一般的だった。そこで、各種微生物に対するMIC(最小発育阻止濃度)を規格化して、製品ロットによる品質のブレを低減している。製品ロットによって効果が十分に発揮されない現象が起きる部分について、微生物に対する効果の指標を規格化し、一定の品質を担保したことにより、2021年5月に開催されたCITE JAPANをはじめ、取引先からは高く評価されているという。

実際の製剤中での防腐効果に関しても、フェノキシエタノールを比較対象に大腸菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌の3種の細菌および酵母、黒コウジカビの2種の真菌に対する防腐効果の評価試験(日本薬局方に準拠した保存効力試験)を実施。フェノキシエタノールおよび「NIKKOGUARD® NATURAL」をそれぞれ0.5%添加した化粧水処方で比較した結果、7日目には全ての微生物が減少しており、フェノキシエタノールに比べて効果が優れることも認められた。

日光ケミカルズでは、化粧水、乳液、クリーム(O/W, W/O)処方やシャンプー、クレンジングなど剤型ごと、pHやNIKKOGUARD® NATURALの添加量など様々な観点から10種類以上の処方で試験を実施。十分な効果が発揮されるかの検証を実施し効果を確認している。広い抗菌スペクトルに加え、幅広い剤型への転用も可能になりそうだ。

また、効果が強いと肌への刺激が懸念されるが、ヒトパッチ、眼刺激(代替法)、ヒト感作性、遺伝毒性など4項目の安全性試験を実施し安全性も実証されている。そのほか、RSPO認証も取得予定。環境負荷の低い成分であることが認められれば、SDGsへのシフトが急激に進む化粧品業界への付加価値提案も進むことになる。また、COSMOS認証も申請中で、近々取得できる見通しだ。

日光ケミカルズでは、これまでもナチュラル、環境負荷の低い成分、サステナビリティなど、近年高まるSDGsの取り組みに合致した成分や原料の提供に早くから着手してきた。「NIKKOGUARD® NATURAL」の発売で、同社の社会的な価値創造の加速にもつながりそうだ。

また、同製品は日光ケミカルズ運営の製品サイト「ケミナビ」にて、サンプルの請求が可能。製品詳細はこちら→https://www.chemical-navi.com/product-search/detail1441.html