日光ケミカルズは、2020年度から進めている長期経営ビジョン「NIKKOL 25 for 2030」で掲げる目標の実現に向けアクセルを踏み込む。具体的には、販売機能を担う日光ケミカルズと、グループ会社の研究開発を担うコスモステクニカルセンターが合併。22年4月1日から新体制でスタートする予定だ。合併の目的は加速する化粧品業界の変化に迅速に対応すること。販売・マーケティングを軸にする日光ケミカルズに研究開発部門が融合することで、顧客のニーズにより細やかに対応するのと同時に、コスモステクニカルセンターが持つ知見やノウハウ、既存のアプリケーションの深耕により事業領域の拡大も進めていく。今回、合併に先立ち、日光ケミカルズの宇梶静男社長とコスモステクニカルセンターの矢作彰一社長に、合併に至った背景、将来に向けた思いや企業としてのありたい姿を語り合ってもらった。

販売と研究が一体となったシンプルな組織へシフト

――日光ケミカルズとコスモステクニカルセンターの合併に至った経緯についてお聞かせください。

宇梶 長期経営ビジョン「NIKKOL 25 for 2030 美しさの化学を、社会を想う科学に。」では、コロイド化学や皮膚科学といった事業の根幹であるパーソナルケア分野を中心に据えてはいますが、その周辺領域である医薬品、化成品を第二の柱として育成することも重視しています。当社が考える2030年のあるべき姿から逆算して、早期に成長ドライバーとしていくにはこれまで以上のスピード感が必要。その一つの方法はお客さまのニーズにより近いところから研究開発をスタートすること。これにより迅速な対応が可能になります。そのためには日光ケミカルズの営業・マーケティングの視点を研究開発にも最大限生かすことがカギと考えました。また近年ではSDGsなど企業には本業だけにとどまらない社会的な価値の創出が求められています。サプライチェーン全体の課題ですから、取引先であるメーカーはもちろん、資材の調達、配送などあらゆる分野での取り組みが必須です。こうした部分では逆に研究開発の視点も必要になります。事業環境が大きな変革期を迎えている中で、販売、研究がそれぞれ独立するのではなく、より一体感のある事業体となり、ビジョンの達成に向けた取り組みを加速するために、コスモステクニカルセンターとの合併に至りました。

日光ケミカルズ 宇梶静男社長

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