スギ薬局、ライオン、PALTACの取り組みは業界の模範に

もはや返品・廃棄ロスは見て見ぬふりができる状況ではなくなっている。その認識が化粧品・日用品業界にもようやく醸成されつつある。背景は言うまでもなくESG重視の世界的潮流だ。気候変動、超高齢社会、資源枯渇、海洋プラスチックごみなどの環境問題といった社会的課題が、化粧品・日用品業界にも大きなインパクトを与え、返品・廃棄ロス削減は製配販にとって解決しなければならない共通認識となり、その取り組みが、ここに来て一気に加速している。

業界を主導する取り組みと言えるのがスギ薬局とライオン、PALTACの3社が、2021年に取り組んだ「オープンな製・配・販の連携で在庫適正化と返品削減」。3社の密な連携が評価され、経済産業省の「サプライチェーン イノベーション大賞」を受賞した。「課題となっている過剰在庫や返品の解決に向け、3社が同じテーブルに着き毎週2時間の打ち合わせを欠かさず続けてきました。その姿勢が高く評価され、直接経産省の方から、これからのモデルにしていかないといけないですね、と言っていただきました」とスギ薬局の小栗正寛社長室 製・配・販連携推進課課長は受賞の経緯を説明した。

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