男女の垣根を取り払うエントリー施策が奏効

伊勢半の男性用市場への参入は、2013年。男性用ブランド「L’UOMO(ルオモ)」で「マットカラーBBクリーム」と眉マスカラ「カラーリングアイブロウ」の発売で始まった。「男性がスキンケア製品を徐々に使い始めているという状況の中、われわれはメイクの総合メーカーなのでスキンケアの延長ではなくメイクアイテムを出そうと決意し、市場でもいち早くメンズメイクブランドを上市するに至りました」とコミュニケーション本部広報宣伝部の阿部恵美子副主事(取材時)は発売当時を振り返る。

2019年にパッケージリニューアルした「L’UOMO」は日常使いしやすい価格帯での展開だ

発売から6年を迎えた19年、新たに「自分で印象をデザインする」というブランドコンセプトを掲げ、パッケージを刷新。現在は「アイブロウカラーマスカラ」「アイブロウペンシル」「マットキープBBクリーム」「ナチュラルBBジェル」の4品を展開している。価格帯は1080~1728円。女性ブランドと変わらない価格帯で展開することで、男性のメイク習慣が広がる中、毎日使いやすいブランドとして男性の使用者が増加。他社に先駆けた取り組みで先発優位性を獲得できたことで売り場に定着しており、大きな施策を展開していないにも関わらず、売り上げを維持している。中でも特に人気を集めるのがアイブロウカラーマスカラ。ポイント使いができて、簡単に顔の印象を変えられる眉マスカラは、メイクの経験に乏しい男性のエントリー層にふさわしい商材として存在感を高めている。

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