海外市場で勝ち抜く。花王の化粧品事業は、新型コロナ禍の逆風にあっても、海外市場の開拓で着実に成果を上げている。2018年5月に掲げた新グローバルポートフォリオでは、11ブランドで成る「G11」を設定。強化エリアとして東アジア、欧州、ASEANに目を向け、戦略を強化してきた。この事業構造の明確化、投資の選択と集中に加え、パーパス重視のブランドマネジメントへの転換がシナジー効果を発揮し、花王の化粧品事業の海外展開力は高まっている。
実際、海外事業の成長率を見ると、20年12月期の第1四半期後半から新型コロナの影響を受けたものの、第2四半期には底を打ち、下期は上昇を続けた。21年12月期の第1四半期は前年にコロナ影響の小さい1〜2月が含まれるため、成長は減速してみえるが、第2四半期から再び成長局面に入っている。花王の新井透浩化粧品事業部門事業企画センター長兼海外事業統括センター長は「海外事業は、中国が全体の成長をけん引しています。欧州も堅調に、成果を生み出しています」と説明する。
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