ポーラは10月1日、ドメスティックバイオレンス(DV)被害者の女性や子どもたちの支援を行うNPO法人全国女性シェルターネットに、化粧品を寄贈すると発表した。同日、東京都のシェルター事務局にて、寄贈式を行った。
寄付製品は「モイスティシモ ローション」「モイスティシモ ミルク」各150本。「モイスティシモ」は、乾燥や外部刺激から肌をやさしく守ることにこだわった、高保湿スキンケアブランドだ。
全国女性シェルターネットは、DVサポートシェルター等を運営する、民間支援団体の全国ネットワーク組織。現在、加盟60団体が国内外のネットワークをつないでいる。
DV・性暴力被害者のためのシェルターおよびステップハウス、カウンセリングルーム等、緊急避難・回復支援施設の運営を通じて、シェルターサポート推進事業、関連諸機関との連携協力をすすめるためのネットワーク形成事業、「女性に対する暴力の根絶」を目指すための教育・意識啓発事業、政策提言やロビー活動、「女性に対する暴力の根絶」のために必要とされる調査研究活動、暴力被害女性や子どもの生活再建にかかわる経済支援事業及び就労支援事業など、被害女性・子どもたちが必要とする多領域にわたる支援事業を展開している。
内閣府が今年発表した、2020年度のDV相談件数の速報値は19万30件で、19年度の約12万件から1.6倍に急増し過去最多となっている。昨年から続く外出自粛の長期化により、被害の拡大が懸念されている。
ポーラは今回、DV被害を受けた女性と子どもを支援する全国女性シェルターネットの活動を支持し、これまでの被害により健康や安全、自分らしく生きていく可能性が脅かされてしまっている女性たちをエンパワーできればと思い、サポートの一環として化粧品を寄贈する。
同社は創業以来、女性の力を信じ、女性が可能性を広げて生きられるよう応援してきた。今後もさまざまな取り組みを通して、誰もが自分の可能性を諦めず、主体的な選択をし、自分らしく生きることができる社会を目指していく考えだ。
今回の寄贈に対し、全国女性シェルターネットは以下のようにコメントしている。
「当法人は、女性と子どもへの暴力根絶に向け、1998年の設立以来、20年以上にわたり活動してまいりましたが、残念ながらDV・性暴力被害はおさまることなく、今般のコロナ禍でかえって被害が苛烈、深刻化しています。DV・性暴力被害者への支援策は全国統一の基準がなく、地域によって格差があり、またサポートする支援者も不足しています。私たちは、日本中どこにいても安心してサポートが受けられる体制作り、また人材育成に努めてまいります。ポーラさまからご寄付いただく化粧品は、全国各地のDV被害当事者を支援する団体に配送し、DV被害当事女性や子どもにお渡しする予定です。加害者の元から逃げてくる被害女性やその子どもたちは、最低限の物しか持ち出せず、『着の身着のまま』ということが多くあります。そんな時、すぐに化粧品が手元に届けば、きっと心が癒されることでしょう。このたびはありがとうございました」