花王は9月10日より、本社(茅場町事業場)に勤務する社員を対象に、就業時間内に積極的な「休息・休憩」を取り入れた働き方を「休み休みWork Style」と称し、その推奨を開始している。

在宅勤務やリモートワークなど働き方の多様化が進む中、この取り組みを通して、これまで以上に働きやすい環境づくりを推進し、社員の心身の健康維持と、業務の生産性向上に努めていく考えだ。

昨今、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、人々の働き方はこれまでと大きく変わっており、特に在宅勤務やリモートワークの定着は、フレキシブルで柔軟な働き方を創出している。そうした中、さまざまな課題も見出されており、通常勤務時であれば通勤時間に充てられるような時間にも、間断なく予定を入れてしまったり、働く場所が自宅中心となることで時間に制限なく働いてしまうようなケースも見受けられる。

現在花王では、感染拡大予防の観点から、主にオフィスワーク中心の本社社員は在宅勤務を基本としているが、社員の問診データや「休息・休憩」に関する社内調査から、現行のフレキシブルな就業に対応しつつも、就業時間内の適度な休息・休憩が必要と感じている社員も多くいることがわかっている。そこで、本社社員を対象に、以下の取り組みを通じて、就業時間内でも積極的な「休息・休憩」が取れる社内風土の醸成と環境づくりを進めていく。

➀「リフレッシュタイム」の活用
在宅勤務の場合、気がつけば「座りっぱなし」「パソコン画面をずっと見続けてしまっている」ということが起こりがち。花王社員の中でも、「肩こりや首の痛みが慢性化している」「目を酷使している」と感じている人が多いことが、健康診断の問診データからわかっている。

そこで花王は、1時間あたり5~10分の休憩をとるなど、在宅勤務中でもこまめな休憩をとり、より業務に集中できるよう、「リフレッシュタイム」の活用を推進。また、今後は、休憩の際に活用できるよう、めぐりズムのアイマスクなど自社製品配布も計画している。

➁「思いやりタイム」の推奨
花王の社内調査では、「仕事が立て込んでいると、気づいたら1日中パソコンの前に座っている」と回答した人が約7割、さらに約半数が「定期的な休息時間が組み込める仕組みがあると良い」と回答している(2021年8月)。上手に休憩を組み込む方法として、会議予定を送信する際、少しの「思いやり」をもって終了時刻を5~10分程度前倒しで設定するなどの工夫を呼びかけていく。

③「フレックスタイム」の活用拡大
現在花王では、フレックスタイム制を導入しており、フレキシブルな就業時間管理が可能だ。今回の取り組みでは、より多くの社員に「フレックスタイム」の活用を推奨。柔軟な始終業で、プライベートや自己啓発、リフレッシュの時間を取り入れてもらい、一人一人のワークライフバランスの向上を図っていく。

さらに、これらの取り組みを推奨する際のヒントとなるような情報提供を行なう社内ポータルサイトの設置や、取り組み成果と課題の見える化を実施予定。社会的な視点でも「休息・休憩」に対するポジティブな気運を高めるべく、今後は、花王グループとして全社的な制度化に向けた取り組みへと発展させていくことを目指す。

花王は、19年4月に策定したESG戦略「Kirei Lifestyle Plan」(キレイライフスタイルプラン)における19の重点取り組みの一つに、「社員の健康維持増進と安全」を定めている。また、21年よりスタートした中期経営計画「K25」では、その方針の一つとして「社員活力の最大化」を掲げており、今回の取り組みは、これらの実現に貢献していくものだ。

経営にESGの視点を導入することで、事業の拡大と、消費者や社会へのよりよい製品・サービスの提供を目指し、豊かな共生世界の実現に向けて取り組んでいく。