女性管理職の割合が国平均の約4倍に上る、創業136年の化粧品メーカー桃谷順天館は、7月1日、女性が働きやすい職場環境整備に取り組む企業を大阪市が認定する「女性活躍リーディングカンパニー」認証を受けた。

同社は、勤務時間や評価制度を柔軟に設定し、女性管理職の割合42.9%を実現している。最高ランクの「二つ星」に評価されており、今後も女性活躍の輪を広げていく考えを示している。

老舗化粧品メーカーとして、社員の約7割を女性が占める同社において、性別にかかわらず、生き生きと働ける職場環境の構築は、避けては通れない問題だった。子どもの都合により有休を残しておけない、産休明けの働き方や給与は既存制度で対応できない、ホルモンバランスによる体調不良――といった課題に応じ、順次制度を模索してきた。導入してきた主な制度は以下の通りだ。

【生理前の不調「月経前症候群(PMS)」 休暇】(2020年6月導入後、PMSを理由にした休暇取得者が2021年5月に前年同月比で約2倍)
【不妊治療休暇】(仕事も子どもも諦めない働き方を実現)
【時短勤務者の給与控除撤廃】(時短勤務でも給与カットなし。「時間」ではなく「成果」で評価。業務効率化の意識も促進)
【時間単位有給休暇制度】(1時間単位で有休取得が可能。子どもの通院や行事などに参加する短時間の用事に対応)
【フレックス制度】(各々の都合に合わせた勤務時間が選択可能)

これらの制度の結果、厚生労働省の「令和元年度雇用均等基本調査」では、課長相当職以上の管理職に占める女性の割合は11.9%%だったのに対し、同社は21年7月1日時点で42.9%に及んでいる。この実績が評価され、同社は大阪市「女性活躍リーディングカンパニー」認証のうち最高ランクの「二つ星認証」を受けた。

人事担当者は「性別や年齢に関係なく、全社員が自分らしく働ける環境の整備に取り組んでいます。近年ではフレックス勤務や時間有休制度を導入し、ワークライフバランスの取れた働き方を推進することで、自己研鑽や趣味の時間を持っていただきたいと考えています。今後も時代に則した施策を検討し、健康に生き生きと働ける環境を整えていきます」とコメントしている