ニューノーマルで生まれた新たな需要の取り込みに着手

――2020年にアサヌマコーポレーションが取り組んだことについてお聞かせください。

麻沼 19年までは中国新EC法の施行によりインバウンドが減速したとはいえ、中国越境ECでの販売拡大などもあり、活気があった化粧品業界ですが、20年に入ってからは新型コロナ禍でインバウンド消失、4月以降の外出自粛で国内需要が大きく落ち込みました。調査機関の予測では前年比約90%に落ち込む見込みです。伴って化粧品OEM市場も厳しい状況で、リップ関連がマスク着用の常態化でリピート受注が減少し大打撃を受けています。アサヌマコーポレーションの主力はメイクアップですから、影響は少なくありませんでした。ただ、想定していたより減少幅は抑えられています。目元周りのメイクに強みを持っていることが理由の一つです。海外企業も含め、マスカラやアイライナーなど目元周りのメイクの受注は相対的に落ち込み幅が少なく、リップ関連の落ち込みを下支えしている格好です。一方では、リモートワークが進んだことで新たなニーズも生まれています。例えば、パソコンの使用時間が長くなったことでブルーライトによる肌のダメージを気にされる方も増えているようで、それに対応した新製品の開発を進めました。そのほかにも落ちにくいリップ製品やベースメイクなど、ニューノーマルによって発生した新需要の取り込みを図っています。

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