新型コロナ対応商品が化粧品の落ち込みをカバー

化粧品OEM各社の業績は得意先化粧品メーカーの新型コロナによる影響、そのままを映し出すものとなった。経済産業省の生産動態統計によれば2020年度の化粧品の出荷額は前年度比10%程度の減少。国内化粧品OEM市場も前年度比13.0%減の3010億円(TPCマーケティングリサーチ調べ)になる見込みだ。「OEM業界は専門領域に特化した企業が多く、自分たちの主力カテゴリーと相手先によって業績に差が出ている」(東色ピグメント鴫原靖宏社長)。特に店舗販売とインバウンド需要が多い得意先を持つ企業や、外出自粛やマスク着用で激減したメイクアップを主力にしている企業は甚大な影響を受けた。一方で、新型コロナ対応が奏功した企業と、取引先が通販を主体としている企業は、コロナ禍でも前年をクリアした格好だ。

20年度の国内メイクアップ市場は30~40%減で推移する見込み。この影響を真正面から受けたのがカラーメイクカテゴリー最大手のトキワだ。プレステージのメイクアップの開発で一頭地を抜く同社の強みが逆にマイナスに働いた。百貨店の閉鎖により化粧品販売の低迷が続き、取引先の主要ブランドは売り上げが大幅ダウン。それに伴い在庫調整に追われた取引先メーカーは、OEMへの発注をストップ。これらがトキワグループの業績を直撃している。

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