新たなテスターの開発で苦境を打破する
――2020年の化粧品市場は大きな打撃を受けました。
日比野 特にカラー化粧品は全世界で外出自粛が断続的に続いたうえ、店舗の臨時休業、マスク着用常態化により大きく落ち込んでいます。ある調査では、20年の全世界のカラー化粧品市場は前年比12~18%減となる見通しが示されています。欧米、日本、中国の三極で見ると、メイクの需要が他と比べて相対的に高い欧米のカラー化粧品市場は、ナチュラルメイクトレンドにより19年からマイナス成長に転じましたが、それに新型コロナが追い打ちをかけました。特に店舗型プレステージブランドが打撃を受け、15~20%減が予想されています。一方ではクリーンビューティー、D2Cといった新興ブラントが台頭するなど新たなチャンスも現れています。日本は、インバウンド消失、プレステージブランドの買い場である百貨店の臨時休業もあり、30~40%減と三極の中でも特に厳しい状況です。一方で中国は、新型コロナ禍から早期に回復し、経済が正常化しつつあります。越境EC・海外トラベルリテール購入から国内購買にシフトしているのに加え、ミレニアル世代、Z世代といった若年層が消費をけん引。特にこれら世代が選ぶD2Cブランドは急成長していることも市場を底上げ。カラー化粧品市場も12~17%増と好調でした。
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