リスク分散が新型コロナ禍で生きる

――2020年の化粧品市場はコロナの影響を大きく受けました。

神崎 新型コロナ禍で、店販を主体にしている化粧品企業が苦戦する一方で、通販をメインチャネルにする企業はおおむね好調と聞いています。ただ、化粧品市場全体では2割ほどダウンしました。出入国制限でインバウンド需要は消失し、緊急事態宣言を受けて、百貨店など化粧品の主要チャネルも営業を自粛したことで、高級化粧品の販売先が少なくなったことも、苦境に拍車をかけています。加えて、外出自粛によるメイクアップ頻度の低下や、マスク着用の常態化によるリップ関連商品の利用率低下により、メイクアップに関してはどの企業も厳しい状況が続いています。こうした化粧品市場の苦しい状況はOEM市場にも影響を及ぼしています。メイクアップや日焼け止めなどは取引先からのキャンセルやリピート生産縮小もありました。

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