徳島の化粧品専門店にとっては寝耳に水の出来事だった。はじまりは2019年10月、そごう徳島店が20年8月末の閉店発表だ。その発表を受け百貨店の化粧品需要の受け皿として、製販入り乱れた出店競争が勃発した。新規出店では地元店を優先する業界慣習は脆くも崩れ去り、20年5月、県内随一の集客力を持つイズミのショッピングセンター(SC)ゆめタウン徳島に香川県の専門店センコヤがコーセーオンリー店を構えた。同8月には、県内2番手のSCイオンモール徳島に岡山県の専門店MASAYA(店名はカラースタジオ)が進出した。徳島の専門店は他県に攻め込まれた格好で、「売れ行きは低迷していたとはいえ、百貨店が保っていた均衡が崩れた」と業界関係者は指摘する。業績が苦しい地方百貨店の閉店ドミノは、いつどこで始まっても不思議はない。徳島の事例は、他県の専門店にとって対岸の火事ではないだろう。

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