春節の期間中、親戚や友達との集まりを避けることはできない。正月の初め、张梦婷の家にも友達の李佳佳と従姉妹の徐静が遊びに来た。話題がコスメになると、彼女たちのおしゃべりは一気に盛り上がった。

彼女たちのコスメに対する態度と認識を詳細に知ると、新しい流行の存在をいっそう真実味を持って感じることができる。Z世代に属する彼女たちにとっては、決して国産ブランドのみを使用することが新しい流行の体現ではない。一人一人が異なる観点と消費習慣を持っているとしても、盲目的に国産ブランドを排斥したり、輸入製品を崇拝したりするのではない。その製品が自分にもたらす体験に、よりいっそう注目している。それを実践していることが、彼女たちの共通点なのだ。

たくさん試して、自分にあった製品を見つける

1996年に生まれた张梦婷は、大学を卒業したあと、武漢の教育研修機関で仕事をしている。彼女は美を愛しており、化粧品への愛着は人一倍強い。

彼女は高校2年生の時に、テレビコマーシャルの影響を受けて、人生初の化粧品を購入した。それは「Carslan(卡姿兰)」のメイクセット。これが彼女の爆買いの人生の始まりとなった。

大学に入ると、「イニスフリー(innisfree)」の化粧水、「クリオ(CLIO)」のエアコットン、「キャンメイク(canmake)」のアイシャドウ、「資生堂」のマッサージクリームなどの日韓ブランドはもちろん、「メイベリン(MAYBELLINE)」のクレンジング、「アルマーニ(ARMANI)」「エスティローダー(Estee Lauder)」「ディオール(Dior)」などの口紅、ロレアルが展開する「羽西(YUESAI)」のファンデーション、「メイクアップフォーエバー(Make up forever)」のクリームなど、欧米系ブランドも、彼女はすべて使ったことがある。「たくさん試して、自分に合った製品を見つけるのが好きなんです」と目を輝かせる。

輸入ブランドを知り尽くしている彼女は、国産ブランドについても、まったく淀みなく話せる。彼女によると、国産ブランドにも多くの魅力があるという。

「大学3年生の時に、ネットで『Mariedalgar(玛丽黛佳)』が上海で開いたコスメアート展を見た後、いてもたってもいられなくなって、すぐにちょうど欲しかったクレンジングセットとパウダーを買ったことを覚えています。一度もこのブランドの製品を使ったことがなかったのにですよ」。それまで彼女が使っていたのは「ビオデルマ(BIODERMA)」のクレンジングだったが、ファッショナブルで個性的なアート展を通して「Mariedalgar」に深い興味を抱き、ブランドスイッチを起こさせた。似たような出来事が他にもたくさんある。でも、もし使った後に効果が思わしくない製品は、彼女によって「お蔵入り」される。

意外なことに、彼女が友達に強力にお勧めする国産ブランドには、一本9.9元のカーキ色のアイシャドウ、「フラミンゴ」のマスカラとアイラインペンシル、そしてマイクロコマースブランドの「英樹」がある。「これらの製品について聞いた時、ちょっとダメっぽく思えるかもしれません。でもコスパは確かにとても良く、私も友達にお勧めされて使うようになりました。カーキ色のアイシャドウは、もうすでに4本使い終わっています」。彼女にとって、ブランドの知名度は関係ない。「引き続き使っていくつもりだ」と語った。

彼女が使ったコスメブランドを細かく見てみると、「雑多」で掴み所がないようだが、じつはそうではない。コスメ製品について、彼女は心が動きやすく、喜んで試してみる感性だけでなく、盲目的にならず、まず使ってみてから評価する理性を持っている。彼女は、コスメブランドの外在的な要素、たとえばブランド力、パッケージのデザイン、コマーシャルなどが目を引きつける第一のポイントだと見ているが、最終的には製品自体に立ち返り、使いやすいかどうか、購入するに値するかどうかといったポイントを考慮するという。

国産コスメはあくまで補助、人気製品を買うのが好き

张梦婷の長年の友人である李佳佳は現在、ニューメディアの仕事に従事しており、コスメ製品を選ぶにあたってはいっそう慎重だ。「安過ぎる製品は使う気がしません。人気ブランドの製品を買う方が好きです」。例えば、「自然堂(CHANDO)」の化粧水や「玛丽黛佳(Mariedalgar)」のアイシャドウだ。李佳佳の見るところ、こうした優れた国産コスメブランドは独自の特色を備えている。これらの製品を買うのも「地雷」を踏むのを避ける一つの方法なのだ。

受け入れられる製品の価格については「100-300元の間が最も良い」と彼女は語った。「初めて使ったのは主に韓国ブランドでした。今は国産コスメを一種の補助としていますが、多くの国産ブランドと輸入ブランドに大きな違いはないと感じているので、国産ブランドにもよく注目しています」。

大学に入学した頃、BA(美容部員)のお勧めで、彼女は「植物医生(DR PLANT)」「婷美小屋(TIMIER HOUSE)」「韩束(KANS)」などの国産スキンケアブランドを使ったことがある。その後、コマーシャルと同級生の影響を受けて、「雪花秀(Sulwhasoo)」「ロレアルパリ(L’OREAL PARIS)」「悦木之源(Origins)」「YSL」「M.A.C」などの輸入ブランドを次々と使ってみた。そうした中で、次第に彼女のコスメ製品に対する知識が培われ、今では積極的に自分の視点で製品を選択する傾向が強くなった。

「以前は国産ブランドのスキンケア製品をよく使う傾向がありました。メイクは輸入ブランドでしたね」。この理由には、スキンケア製品に対しては基本的な保湿・保水の他にこれといった要望がなく、国産スキンケア製品でも十分満足だったからだ。しかし、メイクを購入する際には、国際的に知名度のあるブランドを選ぶようにした。「国産メイクについては、いまだに深く感心したという記憶がありません」

张梦婷と同じく1996年生まれの李佳佳は、コスメブランドに対して张梦婷とは明らかに違う態度を持っている。国産製品により注目し、独自の特徴を持つコスメ製品が好きだ。新しさやオリジナリティを持っていて、彼女たちの個性や特性を表すことができ、同時に中国独特のスタイルを持つコスメ製品が彼女たちのお気に入りだ。

コスメブログのお勧めと、学生たちに好評な製品を信じる

多くの人が「大学は美容院だ」と言っている。この言葉はまさに今、徐静の身の上に実際に生じている。以前は化粧をしたことがなかった彼女が、大学受験のストレスから解放されたあと、自分をメイクで彩る方法を身につけたのだ。

2000年生まれの徐静は、コスメをプロモーションする多種多様なチャネルをよく知っている。KOLによるお勧め、ネットユーザーのレビュー、ルームメイトのお勧めなどだ。小红书やB站、微博などのプラットフォームを通して、彼女はメイクのテクニックを学んだばかりでなく、さらに多くのコスメ・ブランドについても理解を深めた。

彼女が使っているコスメ製品の中には、スキンケアでは「イニスフリー(innisfree)」のグリーンティー・ローション、フェイスマスクではたくさんの芸能人がコマーシャルに出演している「WIS」、そして「ワンリーフ(One leaf)」がある。メイクには「完美日记(Perfect Diary)」のアイシャドウ、「爱丽公主屋(E‘sedo)」のアイライン・ペンシル、「稚优泉(CHIOTURE)」「卡婷(CATKIN)」「KIKO」「M·A·C」のルージュがある。これらのほとんどは、ネット上で人気を集めた比較的安価な製品である。「ルージュについて言えば、見栄えの良いカラーを見かけると、すぐに買いたくなります。何回か使うと他のカラーに変えたいと思うので、高額な製品は必要ありません」。

製品を購入する際、彼女のブランドに対するロイヤリティは決して高くはない。テレビコマーシャルとBA(美容部員)によるお勧めを比べてみると、ネット上の広告の方が彼女に対する影響力が大きい。「学生向けの『良心的なお勧め』という記事を読んで、もしその中のある製品に対する全体的な評価が比較的良かった場合、私は我慢できずに手を出してしまいます」と彼女は語る。その他にも、彼女はコスメブログのレビュー動画を参考にしている。

徐静のような2000年以降生まれの消費者にとっては、ブランドが彼らに情報を伝える場合の表現方法がキーポイントなのだということが見てとれる。彼らは受動的にブランドを受け入れるのではなく、ブランドとの間に相互的な関係を築くことをより重視し、そうして製品を理解しようとする。彼女たちが製品を理解し、購入するチャンネルのほとんどはネット経由のものだ。そのため、いかにして「バズる」方法で彼女たちの注意を引くかが、彼女たちの購入行動に影響を及ぼす鍵となるのだ。

これは近年、「HFP」「WIS」「完美日记(Perfect Diary)」などの新しい国産ブランドが若年層に充分に受け入れられた理由をよく説明している。1995年以降生まれ、さらには2000年以降生まれは、なぜ国産コスメを買うのか。 答えは決して難しいものではない。それは、彼女たちの琴線に触れたブランドが、彼女たちに喜んで購入されている、ということだ。新しい流行の趨勢のもとで、ブランドはこの点を充分に認識する必要がある。

(記事:中国化粧品業界紙『化粧品報』/協力:日中化粧品国際交流協会)