日本上陸から23年。台所用洗剤ブランド「ジョイ(JOY)」が初めて全面ブランドリニューアルを行う。2月28日13時から開催した会見で、P&Gジャパンのヴィリアム・トゥラスカ執行役員マーケットストラテジー&プランニング兼ホームケアは、「ジョイの独自技術『ラクノロジー』が日本の食器洗いをもっとラクに進化させる。新しくなったジョイでお皿洗いをストレスゼロにする」と意気込みを語った。

右からP&Gジャパンのヴィリアム・トゥラスカ執行役員、新CMキャラクターに起用された藤本敏史氏と木下優樹菜氏

1996年の発売以来、「ジョイ」は濃縮洗剤、詰め替え用、除菌シリーズなど、台所用洗剤で初のイノベーションを繰り返し、確固たる地位を築いてきた。とはいえ、日本の家庭環境は大きく変化している。厚生労働省「平成29年 国民生活基礎調査の概況」によると、「ジョイ」発売当初の共働き世帯率は約40%だったが、現在は約70%に増加。仕事、家事、育児などをこなすために、日本女性は忙しくなっている。そのライフスタイルを改善するために、市場には「時短製品」が溢れている。

しかし、「ジョイのカテゴリーでは進んでおらず、改善したい」とヴィリアム・トゥラスカ執行役員は話す。18年にP&Gが行った「食器洗いに関する意識調査」によると、食事に関する家事の中で「食器洗い」は最も時短ができておらず、実に8割がストレスを感じていることが明らかになった。その背景には、日本女性が家事のクオリティに妥協したくない意識もある。新しい「ジョイ」は、買い物や調理などの工程と同じように、食器洗いの時短を通じて「食器洗いストレス、ゼロ」を実現しようというのだ。

その鍵を握るのが、独自技術「ラクノロジー」。高濃度の界面活性剤が汚れに直接作用する。油を溶かす機能を持つ溶剤が汚れを表面から溶かしはがす。製品ラインアップは3品。手洗い用洗剤「ジョイ」、食器洗い乾燥機専用洗剤「ジョイ ジェルタイプ」のリニューアルの加え、新たにスプレータイプ「ジョイ ミラクル・クリーン泡スプレー」を投入する。

ヴィリアム・トゥラスカ執行役員は「ジョイ ミラクル・クリーン泡スプレー」について「進化ではなく、革新」と商品力に自信を示す。スプレーするだけで泡が頑固な汚れを自動分解して浮かせるため、すすぐだけで汚れが流れ落ち、スポンジでゴシゴシ洗う手間がいらない画期的な商品。食器用洗剤で初となる、2種類の泡が出るスプレーヘッドを採用し、大きな調理器具には「広がる泡」を、スポンジが届かないアイテムには「細い泡」をスプレーできる。1本で用途を使い分けながら幅広いアイテムに使用できる。

「ジョイ ミラクル・クリーン泡スプレー」

手洗い用洗剤「ジョイ」は、従来製品から洗浄成分をさらに改良したことで、油汚れを分解する力と汚れ落ちスピードが120%アップ。手作り弁当や作り置きおかずニーズに増加によって使用が増えているプラスチック容器についた落ちにくい油汚れも2度洗いなしでラクに落とせる。

食器洗い乾燥機専用洗剤「ジョイ ジェルタイプ」は、独自技術による2種類の洗浄成分を配合した3D構造が「3大汚れ(油汚れ、こびりつき汚れ、茶渋などの蓄積汚れ)」をスッキリ落とし、洗い直しの手間をなくす。さらに粉末部分の洗浄素材を改良し、でんぷん汚れを落とす酵素を強化。つけ置きや予洗いなしでこびりついたご飯の汚れもしっかり分解する。

手洗い用洗剤「ジョイ」と食器洗い乾燥機専用洗剤「ジョイ ジェルタイプ」

「日本市場に特化して開発した」とヴィリアム・トゥラスカ執行役員は説明する。新CMキャラクターに木下優樹菜氏と藤本敏史氏を起用し、価格はオープン。P&Gは19年3月下旬の発売から攻勢をかける考えだ。