資生堂は、2018年度第3四半期業績を11月8日に発表した。売上高は前年同期比10.2%増の8057億6000万円、営業利益は43.5%増の1014億1200万円、経常利益は45.9%増の1026億6300万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同期の欠損から反転し640億円の黒字となった。売上高、営業利益は過去最高を更新した。

売上げを押し上げたのは、戦略的に投資強化を続けているプレステージ領域が引き続き拡大したこと。18%増とグローバルで大きく牽引した。

事業別に見ると、日本事業が9.5%増、中国事業が33.4%増、トラベルリテールが38.2%増と引き続き大幅に拡大示している。アジア全域で戦略的に実施したクロスボーダーマーケティングが効いている。

日本事業は、メイクアップ商品をリニューアルした「SISEIDO」、しわ改善クリームで新客拡大に結び付いた「エリクシール」が高成長を維持したのに加え、クロスボーダーマーケティングによりインバウンドも確実に取り込んだことが伸長に貢献した。

中国事業では、「SHISEIDO」「クレ・ド・ポーボーテ」「イプサ」といったプレステージブランドが引き続き好調だったことに加え、コスメティクスブランドでは「アネッサ」「エリクシール」などのメイド・イン・ジャパンブランドが大きく伸長した。

トラベルリテール事業は、世界各地の空港での広告宣伝強化など積極的なマーケティング投資により「SHISEIDO」「クレ・ド・ポーボーテ」「NARS」「アネッサ」が前年を大きく上回る伸長を維持したことが堅調な伸びにつながった。

利益面では、売上げが拡大したことに加え、事業ポートフォリオの見直しやプレステージブランドの成長で原価率が改善したことや、人件費比率が低減したことなどにより、営業利益率は前年同期の9.7%から12.6%へと高まった。営業利益は1000億円の大台を突破している。

18年度通期業績は、売上高8.5%増の1兆900億円、営業利益36.8%増の1100億円、経常利益36.9%増の1100億円、親会社株主に帰属する当期純利益は194.5%増の670億円と前回予想を据え置いた。