さくら屋
櫻井哲也 社長(さくらい・てつや 写真左)
美容室、ネイルサロン、アイラッシュサロン、化粧品専門店を展開する同社を率いる。人材を重視した経営を掲げ、働き方の多様化やキャリア支援、独立支援などの環境整備を進めている。

櫻井資也 専務取締役(さくらい・よしなり 写真右)
美容室および化粧品専門店事業の運営に携わる。化粧品専門店業界の座談会などにも継続して参加し、リアル店舗の価値や専門店経営について発信している。

美容室経営を取り巻く環境が厳しさを増している。集客競争が続く一方、それ以上に深刻になっているのが美容師不足だ。多店舗を展開する企業にとっては、顧客を呼び込む力だけでなく、人材を採用し、長く働き続けてもらえる環境をいかにつくるかが成長を左右する。そうした中、さくら屋が新たな経営モデルとして取り入れたのが、美容ブランド「CLALA」のサブスクリプション型サロンである。2025年秋、既存店を「CLALA JAPAN Tachikawa」へと業態転換した。この新たな業態に、さくら屋は何を見いだしたのか。櫻井哲也氏と櫻井資也氏に聞いた。

櫻井哲也(以降「哲也」)現在の美容室経営の最大の課題は、人手不足だと考えています。美容師のなり手が減る一方、カリスマ美容師ブーム期に入職した世代の独立も進み、個人で働く美容師が増えています。企業サロンでは集客以上に人材確保が重要で、その鍵の一つが待遇改善です。CLALA導入の最大の理由もそこにあります。サブスクで売り上げの波を抑え、安定収益を確保できれば、給与も安定し、求人力の向上につながる。立川の既存店では一定の売り上げがあった一方、トップスタイリストと若手の収入格差が課題でした。一部だけが稼ぐのではなく、スタッフ全員が一定以上の給与を得られる店にしたい。それが業態転換を決めた大きな理由です。

櫻井資也(以降「資也」)CLALAは「技術のサブスク」ではなく、商品を軸にした仕組みです。月額料金に応じてポイントが付与され、そのポイントで商品を選び、さらに月1回の施術が付く。扱うのもヘアケアだけでなく、スキンケア、メイク、インナービューティーまで幅広くそろえています。発想の根底にあるのは、「お客さまが年間で美容にいくら使うか」という視点です。美容室への来店が数カ月に1回でも、その間にシャンプーや化粧品は購入します。そこで、美容室を施術の場にとどめず、日常の美容まで継続的に支える場にする。美容室への支出だけでなく、化粧品などを含む美容支出全体をCLALAでカバーしていく考え方です。今月はヘアケア、次はスキンケア、その次はインナービューティーというように、商品を軸にすることで顧客との接点も継続しやすくなります。

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